今回はエスワティニの産業構造を確認します。
エスワティニの基本情報
エスワティニは南アフリカ、モザンビークを隣国にもつアフリカ南部の国です。
かつてはスワジランドと呼ばれていましたが、2018年にエスワティニと改名しました。
エスワティニの人口は2016年時点で130万人とアフリカでは比較的人口の少ない国です。
一方、人口密度は75人/km2とアフリカでは比較的人口密度の高い国です。
また、一人あたりGDPは2016年時点で8,500ドルとアフリカでは比較的高い国です。
アフリカ諸国の基本的な経済指標については以前まとめていますので、そちらを参照してください。
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また、アフリカ諸国間のGDP成長率の相関については、以下をご覧ください。
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産業別GDP構成比
早速ですが、以下は1970年から2019年までの産業別のGDP構成比の推移を表します。
出所:UN “The National Accounts Main Aggregates Database”
主な産業の8.その他サービスは1970-2019年にかけて25%強から35%程度まで増加しています。
また、3.製造業も同期間で急拡大している一方、1.農業や5.商業・レストラン・ホテルは一貫して減少傾向にあります。
産業別GDP寄与度
以下はGDPにおける5年平均の産業別寄与度を表します。
出所:UN “The National Accounts Main Aggregates Database”に基づく推計値
1970年代前半と1980年代後半では8%以上の高い経済成長を遂げいる一方で、それ以外の期間ではおおよそ2-3%程度の緩やかな経済成長となっています。
産業別就業者数シェア
以下は1991年から2019年の産業別就業者数のシェアを表します。
出典:ILO Modelled Estimatesに基づく推計
もっとも就業者の多い産業はGDPシェアと同様に7.その他サービスが最大であり、当該機関では30%から37%まで拡大しています。
また、GDPシェアが減少していた5.商業・レストラン・ホテルでも同期間では14%から21%まで就業シェアが拡大しています。
一方、1.農業や3.製造業は就業者数シェアは減少傾向にあります。
産業別労働生産性(産業別就業者あたりGDP)
以下は2019年における産業別の労働生産性(産業別の就業者一人あたりGDP)を米ドル換算で表しています。
出典:ILO Modelled EstimatesおよびUN “The National Accounts Main Aggregates Database”に基づく推計
2019年における全体の労働生産性は14,800ドルほどですが、産業によりそれは大きく異なります。
もっとも労働生産性が高い産業は3.製造業であり、労働生産性は29,600ドルほどです。
一方、もっとも生産性の低い産業は4.建設であり労働生産性は7,500ドル程度となっています。
さいごに
エスワティニの産業構造についてまとめると以下のとおりです。
- 主な産業は7.その他サービスであり、1970-2019年にかけてGDP比で25%強から35%程度まで増加
- 1970年代前半と1980年代後半では8%以上の高い経済成長の一方で、1990年以降では2-3%と緩やかな経済成長
- 就業者の多い産業は7.その他サービスであり一国全体の37%
- 労働生産性が高い産業は3.製造業(29,600ドル)。一方もっとも低いのは4.建設(7,500ドル)
引き続き他の国についても調べていきます。