ギニアビサウの産業構造:GDPシェア、GDP寄与度、労働者数シェア、労働生産性について

今回はギニアビサウの産業構造を確認します。

 

ギニアビサウの基本情報

ギニアビサウはギニア、セネガルを隣国にもつ大西洋に接する西アフリカの国です。

ギニアビサウの人口は2016年時点で190万人とアフリカでは人口の少ない国です。

一方、人口密度は52人/km2とアフリカ平均40人/km2より3割ほど人口密度の高い国です。

 

一人あたりGDPは2016年時点で1,500ドルとアフリカ平均の5,000ドルの3割程度であり、アフリカでは10番目に低い国です。

アフリカ諸国の基本的な経済指標については以前まとめていますので、そちらを参照してください。

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また、アフリカ諸国間のGDP成長率の相関については、以下をご覧ください。

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産業別GDP構成比

早速ですが、以下は1970年から2019年までの産業別のGDP構成比の推移を表します。

出所:UN “The National Accounts Main Aggregates Database”

 

主な産業の1.農業は1970-2019年にかけて40-50%程度で推移しています。

また、この期間においては7.その他サービスも8%から14%と増加傾向にあります。

 

産業別GDP寄与度

以下はGDPにおける5年平均の産業別寄与度を表します。

出所:UN “The National Accounts Main Aggregates Database”に基づく推計値

 

ギニアビサウでは過去のおよそ50年間では0-5%程度の経済成長を遂げています。

この期間では、1.農業の変動がGDP成長率に大きく影響を与えています。

 

産業別就業者数シェア

以下は1991年から2019年の産業別就業者数のシェアを表します。

出典:ILO Modelled Estimatesに基づく推計

 

もっとも就業者の多い産業はいまだに1.農業であり、現在でも一国全体の60%を占めています。

それに続くのは5.商業・レストラン・ホテルは一貫して上昇傾向にあり、同期間で11%から18%まで就業シェアが拡大しています。

 

産業別労働生産性(産業別就業者あたりGDP)

以下は2019年における産業別の労働生産性(産業別の就業者一人あたりGDP)を米ドル換算で表しています。

出典:ILO Modelled EstimatesおよびUN “The National Accounts Main Aggregates Database”に基づく推計

 

2019年における全体の労働生産性は1,800ドルほどですが、産業によりそれは大きく異なります。

もっとも労働生産性が高い産業は3.製造業であり、労働生産性は3,400ドルほどです。

一方、もっとも生産性の低い産業は4.建設であり労働生産性はわずか900ドル程度となっています。

 

さいごに

ギニアビサウの産業構造についてまとめると以下のとおりです。

  • 主な産業は1.農業であり、GDP比で40-50%程度
  • 1970-2019年まで1970年以降0-5%と安定して経済成長
  • 就業者の多い産業は1.農業であり一国全体の60%
  • 労働生産性が高い産業は3.製造業(3,400ドル)。一方もっとも低いのは4.建設(900ドル)

引き続き他の国についても調べていきます。

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