今回はセーシェルの旅行関連のデータについて簡単に整理します。
セーシェルの基本情報
セーシェルはインド洋に浮かぶ島国でアフリカでは有数のリゾート地で知られています。そのためホテルやレストランの物価はアフリカでも著しく高いです。
今回は旅行する際に気になる、レストラン・ホテルの物価についてです。 アフリカ各国のレストラン・ホテルの物価について ここでは、データの制約上レストランとホテルをまとめた物価を紹介します。 早速ですが以下は、日本[…]
セーシェルの人口は2016年時点で約10万人とアフリカではもっとも人口の少ない国です。
一方、国土もアフリカでもっとも狭いため、人口密度は211人/km2とアフリカ平均の40人/km2の5倍以上であり、アフリカでも5番目に密度の高い国です。
一人あたりGDPは2016年時点で27,000ドルとアフリカ平均の5,000ドルの5倍以上あり、アフリカでは2番目に高くなっています。
アフリカ諸国の基本的な経済指標については以前まとめていますので、そちらを参照してください。
ここではアフリカの経済指標についてざっくり整理します。 アフリカと一言でいっても、アフリカ連合に加盟している国だけでも55か国もあります。なお、外務省のHPを確認すると2021/2/5時点で54か国となっていますが[…]
アフリカ諸国における外国人観光客数ランキング
以下は直近におけるアフリカ諸国における外国人観光客の受け入れ人数のランキングです。
出所:World Bank “World Development Indicators” 注:国名後のカッコ内はデータの利用年次を表す。
セーシェルはアフリカでは30番目に外国人観光客数が多く、2019年は43万人が訪れています。
セーシェルの人口は10万人ほどですので、人口の4倍もの外国人観光客が年間で訪れていることになります。
なお、アフリカでもっとも外国人観光客が多いのは南アフリカで2019年は1,500万人です。なお、日本は同年では3,200万人の外国人観光が訪れています。
セーシェルの外国人観光客数
以下はセーシェルにおける1995年から2019年までの外国人観光客数とセーシェルからの海外旅行客数を表します。
外国人観光客数は1995年は13万人ほどでしたが、ピーク時の2019年には43万人と3倍以上に増加しています。
また、セーシェルからの海外旅行客も3万人から8万人と3倍近く増加しています。
出所:World Bank “World Development Indicators”
セーシェルの旅行によるサービス貿易収支
外国人観光客の旅行による消費は通常サービスの輸出として捉えられます。また、逆に自国民の海外旅行での消費はサービスの輸入として扱われます。
以下は、そのサービス輸出とサービス輸入のGDPにおけるシェアを表します。
出所:World Bank “World Development Indicators”に基づく推計値
セーシェルでは観光業が主要な産業となっており、旅行によるサービスの輸出はGDPで30-40%を占めています。
旅行によるサービス輸入を除いた純輸出も30%ほどあり、外貨を稼ぐ大きな要因となっています。
セーシェルの旅行者あたり消費額
上記のサービス貿易は旅行者全体の消費額を表すため、それを旅行客数で除することで旅行客一人当たりの消費額を試算することができます。
以下は、セーシェルを訪れる外国人観光客一人当たりの消費額(=サービス輸出/外国人観光客数)の推移を表しています。
出所:World Bank “World Development Indicators”に基づく推計値
外国人観光客一人当たりの消費額はおよそ1,500-2,000ドルで推移しています。
一方、セーシェルから海外旅行客あたり消費額は1995年から2019年では1,100ドルから1,400ドルへ3割ほど増加しています。
さいごに
セーシェルの旅行についてまとめると以下のとおりです。
- セーシェルを訪れる外国人観光客数は2019年では43万人でアフリカ全体では30番目
- 旅行によるサービスの輸出はGDPで30-40%
- 外国人観光客一人当たりの消費額はおよそ1,500-2,000ドル
引き続き他の国についても調べていきます。