エジプトのODA(政府開発援助)と貧困率

ODA

今回はエジプトのODA(政府開発援助)と貧困について簡単に整理します。

なお、ODAは援助する側とされる側がありますが、ここについてはODAは援助される側にフォーカスします。

 

エジプトの基本情報

エジプトの人口は2016年時点で

約9,300万人とアフリカでは3番目に人口の多い国です。

人口密度は93人/km2とアフリカ平均の40人/km2の2倍以上です。

 

一人あたりGDPは2016年時点で12,000ドルとアフリカ平均の5,000ドルの2倍以上です。

アフリカ諸国の基本的な経済指標については以前まとめていますので、そちらを参照してください。

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また、アフリカ諸国間のGDP成長率の相関については、以下をご覧ください。

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GNIに占めるODA率ランキング

早速ですが、以下は2019年におけるGNI(国民総所得)に占めるODA率のランキングです。

なお、一部の国では2019年のデータが利用できない国があるため、国名の後ろに利用年次を記載しています。

 

アフリカで最もODA率の高い国はソマリアでGNIに占めるODA率は38%となっており、ODAによりGNIが50%以上上乗せされております。

一方、エジプトはアフリカ54か国中49位(0.6%)とほとんどODAを受け入れていない国と言えます。

 

 

出所:World Development Indicators

貧困率ランキング

次は貧困率についてです。

ここでは世界銀行が2015年に定めた1日あたり1.9ドル未満(PPP換算)で生活している人口のシェアをランキングしています。

なお、貧困率のデータは利用できない国や欠損年次が多いため、利用可能な国の直近の年次を用いてランキングしています。

 

アフリカでもっとも貧困率が高いのはマダガスカルであり人口の79%は貧困とされています。

一方、エジプトはアフリカ49か国中42位(4%)と低い貧困率となっています。

出所:World Development Indicators

一人当たりODAと一人当たりGNI

以下は2019年の一人当たりODAを縦軸、一人当たりGNIを横軸にプロットしたものです。

ODAは国際支援を目的としているため、基本的にはODAはGNIと反比例するように支援されています。

(ただし、セーシェルは高い一人当たりGNIにかかわらず、一人当たりODAも多くなっています。)

エジプトは一人当たりGNIが1.2万ドルと比較的高い水準であるため、一人当たりODAも17ドルと他に比べても少なくなっています。

 

上図:全体図、下図:拡大図

出所:World Development Indicators

 

エジプトにおける時系列推移

以下の左図はGNIに占めるODA率と一人当たりODA、右図は一人当たりGNIと貧困率の推移を表しています。

エジプトは1975年にはGNIに占めるODA率は一時20%以上を占めるときがありましたが、近年ではほとんど0%となっています。

一人当たりODAも1990年代前半の100ドル超をピークに直近では20ドル以下に減少しています。

 

一人当たりGNIは1990年から直近までで4000ドルから12,000ドルと3倍以上に増加しており、

この期間における貧困率は9%から4%へ半減しています。

 

出所:World Development Indicators

 

さいごに

今回はODAと貧困率について経済発展状況(GNI)を踏まえて見てました。

引き続き、いろいろ調べています。

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