今回はエスワティニの所得格差と貧困について簡単に整理します。
エスワティニの基本情報
エスワティニは南アフリカ、モザンビークを隣国にもつアフリカ南部の国です。
かつてはスワジランドと呼ばれていましたが、2018年にエスワティニと改名しました。
エスワティニの人口は2016年時点で130万人とアフリカでは比較的人口の少ない国です。
一方、人口密度は75人/km2とアフリカでは比較的人口密度の高い国です。
また、一人あたりGDPは2016年時点で8,500ドルとアフリカでは比較的高い国です。
アフリカ諸国の基本的な経済指標については以前まとめていますので、そちらを参照してください。
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ジニ係数
所得格差の表す代表的な指標にジニ係数というものがあります。
ジニ係数とは
ジニ係数は、イタリアの統計学者コラド・ジニにより考案された所得などの分布の均等度合を示す指標で、国民経済計算等に用いられる。ジニ係数の値は0から1の間をとり、係数が0に近づくほど所得格差が小さく、1に近づくほど所得格差が拡大していることを示す。一般に0.5を超えると所得格差がかなり高い状態となり是正が必要となると言われている。(出所:野村証券, 証券用語解説集)
とあるとおり、0に近いほど格差が無い状態を表します。
例えば、日本は0.33、米国は0.42であり、米国の方が所得格差が大きいと言えます。
エスワティニ(スワジランド)のジニ係数は0.55であり、アフリカでは所得格差が高い国と言えます。
出所:World Development Indicators
以下はジニ係数(縦軸)と一人当たりGDP(横軸)の関係を表しています。
アフリカでは一人当たりGDPとジニ係数は負の相間が見られますが、エスワティニ(スワジランド)は比較的高い一人当たりGDPかつ高いジニ係数となっています。
出所:World Development Indicators
スラム人口ランキング
次はスラム人口についてです。
以下は都市部人口に占めるスラム人口比率のランキングを表しています。
アフリカでは中央アフリカ共和国のスラム人口比率が95%ともっとも高い一方で、エスワティニ(スワジランド)はアフリカでは32%と40番目となっています。
出所:World Development Indicators
以下は、都市部に占めるスラム人口比率(縦軸)と全人口に占める都市部人口比率(横軸)をプロットしたものです。
アフリカではスラム人口比率と都市部人口比率においては僅かに負の相間が見られますが、
エスワティニ(スワジランド)は都市人口比率はアフリカでは比較的低い水準にある一方で、スラム人口比率も低い水準となっています。
出所:World Development Indicators
以下は一人当たりGDPと全人口に占める都市部人口比率の推移を表します。
1990年以降一人当たりGDPは順調に右肩上がりに成長しており、この期間においては都市部人口比率も緩やかに上昇しています。
出所:World Development Indicators
所得分配
以下は上位10%, 10-20%, 20-40%, 40-60%, 60-80%, 80-90%, 90-100%と7つの所得層における所得の所得の分布の推移を表します。
上位10%の所得階層が、所得全体の50%近くを所有している一方で、下位10%の所得階層は全体の5%以下しか占めておりません。
また、この所得分配の状況は1994年以降徐々に格差が小さくなってきています。
出所:World Development Indicators
さいごに
今回は所得格差と貧困について、ジニ係数やスラム人口比率の観点から見てました。
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