今回はルワンダの所得格差と貧困について簡単に整理します。
ルワンダの基本情報
ルワンダはコンゴ、コンゴ民主共和国、ウガンダ、タンザニア、ブルンジの国境の境目に位置する東アフリカの小国です。
ルワンダの人口は2016年時点で約1,200万人で、アフリカでは平均的な人口の国です。
ただ国土が小さいことから人口密度はモーリシャスに次いでアフリカで2番目に蜜となっています。
一人あたりGDPは2016年時点で1,800ドルとアフリカ平均の5,000ドルの4割弱です。
アフリカ諸国の基本的な経済指標については以前まとめていますので、そちらを参照してください。
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ジニ係数
所得格差の表す代表的な指標にジニ係数というものがあります。
ジニ係数とは
ジニ係数は、イタリアの統計学者コラド・ジニにより考案された所得などの分布の均等度合を示す指標で、国民経済計算等に用いられる。ジニ係数の値は0から1の間をとり、係数が0に近づくほど所得格差が小さく、1に近づくほど所得格差が拡大していることを示す。一般に0.5を超えると所得格差がかなり高い状態となり是正が必要となると言われている。(出所:野村証券, 証券用語解説集)
とあるとおり、0に近いほど格差が無い状態を表します。
例えば、日本は0.33、米国は0.42であり、米国の方が所得格差が大きいと言えます。
ルワンダのジニ係数は0.44と米国よりやや高い水準であり、アフリカでは16番目に高い所得格差と言えます。
出所:World Development Indicators
以下はジニ係数(縦軸)と一人当たりGDP(横軸)の関係を表しています。
アフリカでは一人当たりGDPとジニ係数は負の相間が見られますが、ルワンダは比較的低い一人当たりGDPに対して、ジニ係数も平均的な水準となっています。
出所:World Development Indicators
スラム人口ランキング
次はスラム人口についてです。
以下は都市部人口に占めるスラム人口比率のランキングを表しています。
アフリカでは中央アフリカ共和国のスラム人口比率が95%ともっとも高い一方で、ルワンダは42%とアフリカでも35番目に高い比率となっています。
出所:World Development Indicators
以下は、都市部に占めるスラム人口比率(縦軸)と全人口に占める都市部人口比率(横軸)をプロットしたものです。
アフリカではスラム人口比率と都市部人口比率においては僅かに負の相間が見られますが、
ルワンダは都市人口比率はアフリカでは比較的低い水準にある一方で、スラム人口比率もやや低い水準となっています。
出所:World Development Indicators
以下は一人当たりGDPと全人口に占める都市部人口比率の推移を表します。
1990年以降一人当たりGDPは上昇傾向にある一方で、都市部人口比率も上昇していましたが、2000年以降ほぼ横ばいになっています。
出所:World Development Indicators
所得分配
以下は上位10%, 10-20%, 20-40%, 40-60%, 60-80%, 80-90%, 90-100%と7つの所得層における所得の所得の分布の推移を表します。
上位10%の所得階層が、所得全体の30%以上を所有している一方で、下位10%の所得階層は全体の5%以下しか占めておりません。
また、この所得分配の状況は2000年以降格差は改善傾向にあります。
出所:World Development Indicators
さいごに
今回は所得格差と貧困について、ジニ係数やスラム人口比率の観点から見てました。
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