今回はコンゴの大学教育（高等教育）に関する経済データを整理します。
なお、この記事は世界銀行（World Bank）が公開しているデータベース（WDI: World Development Indicators）を用いています。
コンゴ共和国の基本情報
コンゴ共和国は中央アフリカの国で、コンゴ民主共和国、ガボン、赤道ギニア、カメルーン、中央アフリカ共和国の5か国と接しています。
コンゴ共和国の人口は2016年時点で約500万人で、アフリカでは比較的小さな国です。
一方、一人あたりGDPは2016年時点でアフリカ平均5,000ドルよりも高い6,300ドルです。
アフリカ諸国の基本的な経済指標については以前まとめていますので、そちらを参照してください。
ここではアフリカの経済指標についてざっくり整理します。 アフリカと一言でいっても、アフリカ連合に加盟している国だけでも55か国もあります。なお、外務省のHPを確認すると2021/2/5時点で54か国となっていますが[…]
また、アフリカ諸国間のGDP成長率の相関については、以下をご覧ください。
今回は2000年以降のアフリカ諸国におけるGDP成長率の相関係数を確認してみます。 まずは、アフリカ諸国のGDPの規模について見てみます。 GDPランキング 以下は2016年のアフリカ諸国におけるGDPランキン[…]
大学教育（高等教育）における学生一人当たりの政府支出
以下の図はアフリカ諸国における大学教育（高等教育）の学生一人当たり政府支出額比率（対一人当たりGDP比）のランキングを表しています。
なお、国名横のカッコ内の数字はデータの当該年次を表してます。
また、参考として中国、日本、米国を併記しており、これらの国ではそれぞれ一人当たりGDPに対して89%、21%、19%相当の政府消費が大学教育（高等教育）の学生に支出されています。
一方、コンゴにおいては大学教育（高等教育）の学生一人当たり政府支出額比率は88.1%と米国ほどの水準であり、アフリカ諸国においては43か国中23位と中位に位置しています。
出所：World Bank, World Development Indicators, July 2024.
25歳以上人口に占める学位保有率
以下の図はアフリカ諸国における25歳以上人口に占める学位の保有比率のランキングを表しています。
なお、国名横のカッコ内の数字はデータの当該年次を表してます。
また、参考として日本、米国、中国を併記しており、例えば日本の学士保有比率は25.5%、修士は2.5%、博士についてはデータが公表されておりません。
コンゴでは、学士の保有率は7.8%であり、データの利用できるアフリカ47カ国中12位と上位となっています。
なお、修士の保有比率は1.8％でアフリカ42カ国中15位、博士の保有比率は0.31％でアフリカ35カ国中11位となっています。
出所：World Bank, World Development Indicators, July 2024.
大学（高等教育）入学率
コンゴにおける大学（高等教育）の入学率について扱います。
以下のグラフはそれらの時系列推移を表しています。
入学率については1970年代では2%ほどでしたが、直近では12%ほどまで上昇しています。
男女別の入学率を見ると1970年代では男子は3%、女子はほぼ0%ほどでしたが、直近では男子は15％ほど、女子は10％ほどへ増加しています。
出所：World Bank, World Development Indicators, July 2024.
大学（高等教育）における学生－教員比率
次に学生と教員の比率について扱います。
以下の図はアフリカ諸国の大学（高等教育）における学生と教員の比率を表しています。
なお、参考国である日本、米国、中国は教員1人につき、それぞれ6.9人、12.0人、19.5人の学生となっています。
コンゴについては、12.2人と米国ほどの水準であり、アフリカ諸国においては53国中6位と上位に位置しています。
出所：World Bank, World Development Indicators, July 2024.
以下ではコンゴの大学（高等教育）における学生と教員の比率の時系列の推移を表しています。
1970年代では教員一人当たり15人ほどの学生比となっていましたが、1980年代には一時25人ほどまで上昇したのち、直近では12人近くまで改善しています。
出所：World Bank, World Development Indicators, July 2024.
さいごに
今回はコンゴにおける大学（高等教育）について見てきました。
なお、小学校（初等教育）や中学校・高等学校（中等教育）については同様の記事がありますので、ご覧ください。
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また、以下の記事では児童の労働について取り上げていますので、是非ご覧ください。
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