今回はカメルーンの労働関連のデータについて簡単に整理します。
カメルーンの基本情報
カメルーンはナイジェリア、チャド、中央アフリカ共和国、コンゴ、赤道ギニア、ガボンに接する中央アフリカの国です。
カメルーンの人口は2016年時点で約2,400万人で、アフリカではやや人口の多い国です。
一方、一人あたりGDPは2016年時点で3,200ドルとアフリカ平均の5,000ドルの6割程度とアフリカではやや低位の国です。
アフリカ諸国の基本的な経済指標については以前まとめていますので、そちらを参照してください。
ここではアフリカの経済指標についてざっくり整理します。 アフリカと一言でいっても、アフリカ連合に加盟している国だけでも55か国もあります。なお、外務省のHPを確認すると2021/2/5時点で54か国となっていますが[…]
カメルーンの就業率と失業率、ニート率
就業率
以下は1991年から2019年における男女別の就業率の推移を表しています。
出所：ILO Modelled Estimates, 2020年11月推計
カメルーンの就業率はおよそ70-80%近辺で安定しています。
男性の就業率は女性に比べ1991年時点では6ポイントほど高い就業率でしたが、2019年ではその差は10ポイントまで拡大しています。
失業率
次に失業率について確認します。以下は2019年における失業率のランキングを示します。
2019年におけるカメルーンの失業率は3.3%とアフリカでは比較的低い水準となっています。
なお、日本は2.4%となっています。
出所：ILO Modelled Estimates, 2020年11月推計
次に1991年から2019年における男女別の失業率の推移について確認します。
出所：ILO Modelled Estimates, 2020年11月推計
失業率は男女ともに類似した推移をしています。
1991年には失業率は8%ほどでしたが、2019年には半減しています。
また、1991年時点では女性に比べ男性の方が失業率が高かったですが、2004年には男女逆転し、2019年では1ポイントほどの乖離が生じています。
ニート率
次は就学・就労していない、また職業訓練も受けていない若者、いわゆるニート（NEET：Not in Education, Employment or Training）について確認します。
以下は2005年から2019年におけるニート率を示しています。
出所：ILO Modelled Estimates, 2020年11月推計
日本ではニート率は3-4%程度でしたが、カメルーンのニート率は10-20%ほどと比較的高くなっています。
また、日本と同様に女性の方が男性に比べニート率が高くなっています。
カメルーンの労働生産性と就業構成
労働生産性
以下は2019年における労働生産性（GDP/就業者数）のランキングを示します。
カメルーンの労働生産性は8,600ドルであり、アフリカでは26番目に高い国です。
なお、日本の労働生産性は77,500ドル、アフリカでもっとも労働生産性の高いガボンの55,700ドルであり、これらの国に比べるとカメルーンは1/7~1/9程度の水準にあります。
出所：ILO Modelled Estimates, 2020年11月推計
就業構成
以下は1991年から2019年における労働生産性（GDP/就業者数）と就業者全体に占める女性シェアを示します。
出所：ILO Modelled Estimates, 2020年11月推計
カメルーンの労働生産性は過去28年間で労働生産性は7,300ドルから8,600ドルと僅か16%％ほどの上昇に留まっています。
また、就業者全体に占める女性シェアは49%から47%と減少しています。
職業構成
以下は1991年から2019年における職業構成比の推移を表しています。
出所：ILO Modelled Estimates, 2020年11月推計
カメルーンでは6.農林水産従事者, 9.単純作業従事者が全体の半数以上を占めておりますが、1993年以降構成比は減少傾向にあります。
以下は2019年の男女別の職業構成比を示します。
出所：ILO Modelled Estimates, 2020年11月推計
カメルーンでは7.技能工及び関連職業の従事者、8.設備・機械の運転・組立工は男性労働者が多い一方で、
女性は5.サービス・販売従事者、6.農林水産従事者, 9.単純作業従事者といった比較的低スキルの労働が多くなっています。
さいごに
カメルーンの労働についてまとめると以下のとおりです。
- 就業率は70-80%程度
- 失業率は3.3%
- 労働生産性は8,600ドル
- 就業者全体に占める女性シェアは47%
引き続き他の国についても調べていきます。