今回はエジプトの関税率について整理します。
関税率などのデータはWTO Statが公表している、最恵国待遇相手における関税率や免税率などを用いています。
なお、貿易について以下の記事を参照ください。
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エジプトの基本情報
エジプトの人口は2016年時点で
約9,300万人とアフリカでは3番目に人口の多い国です。
人口密度は93人/km2とアフリカ平均の40人/km2の2倍以上です。
一人あたりGDPは2016年時点で12,000ドルとアフリカ平均の5,000ドルの2倍以上です。
アフリカ諸国の基本的な経済指標については以前まとめていますので、そちらを参照してください。
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また、アフリカ諸国間のGDP成長率の相関については、以下をご覧ください。
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国際比較ランキング
関税率
以下のグラフはアフリカ諸国における関税率のランキングを示しています。
(左図は、輸入金額をウェイトした加重平均の平均関税率、右図は、輸入品目ごとの関税率の単純平均で評価しています。)
日本や米国の平均関税率(金額ウェイト)は2020年では2%ほどとなっており、また2021年の平均関税率(単純平均)はそれぞれ4%と3%となっています。
その水準はアフリカ諸国と比べると著しく低い水準であり、日本と米国は国際貿易市場に対してオープン化していると見なせます。
一方、エジプトは平均関税率(金額ウェイト)についてはアフリカでは16番目の12%、平均関税率(単純平均)では3番目の19%と比較的高い関税率を設けています。
出所:WTO Stat
無税率・免税率
以下のグラフはアフリカ諸国における無税率・免税率のランキングを示しています。
(左図は、輸入額全体に対する無税となる輸入額合計の比率、右図は、輸入品目数に対して免税されている品目数の比率。)
日本と米国では、無税率(金額ウェイト)はそれぞれ77%、57%と輸入額の大半以上は非課税品目であり、また免税率(品目換算)はそれぞれ53%、47%と輸入品目の半数ほどが非課税とされています。
一方、エジプトの無税率(金額ウェイト)は16番目に高い37%であり、免税率(品目換算)は19番目に高い12%とアフリカでも比較的非課税の比率が高くなっています。
出所:WTO Stat
2期間比較
輸入シェア
以下はエジプトの2005年と2019年における輸入品目の金額構成を表しています。
輸入がもっとも多いのは過去も直近も12.鉱物・金属ですがそのシェアは減少しており、その代わり直近では14.化学品や13.石油類などのシェアが拡大しています。
出所:WTO Stat
関税率
以下は細品目ごとの関税率を単純平均した22分類ごとの平均関税率を表しています。
エジプトの平均関税率は2005年も2019年も19%と横ばいですが、輸入金額を用いて加重平均関税率は9%から12%へ上昇しています。
個別の分類では、8.飲料・たばこは輸入金額に対して8倍以上の関税が課せられており、非常に閉鎖的となっています。
なお、輸入シェアが高い12.鉱物・金属や輸入シェアが拡大していた14.化学品の関税率はほぼ変わっていませんが、一方で同じく輸入シェアが拡大していた13.石油類の関税率は減少しています。
出所:WTO Stat
無税率・免税率
以下は22分類ごとの輸入額に対する無税となる輸入額の比率を表しています。
全体で見れば、無税率は2005年から2019年で30%から37%へ上昇しています。
分類レベルでは、6.油糧種子や2.乳製品では無税率が改善している一方で、3.果物や12.鉱物・金属は無税率が低下しています。
出所:WTO Stat
以下は22分類ごとの輸入品目数に対して免税されている品目数の比率を表しています。
こちらについても無税率同様に、全体としては免税率は5%から12%へ拡大しています。
また、11.魚介類や6.油糧種子など多くの分類で免税率が拡大していますが、13.石油類などは免税率が低下しています。
出所:WTO Stat
さいごに
今回は関税率や免税率などを通じて国際貿易への開放具合について見てきました。
なお、この期間における経済成長について知りたい方は、以下の記事もご覧ください。
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