今回はザンビアの貿易について整理します。
ザンビアの基本情報
ザンビアはアフリカ南部の内陸国です。位置については地図のとおりです。
ザンビアの人口は2016年時点で約1,700万人で、アフリカでは平均的な人口を有する国です。
一人あたりGDPは2016年時点で3,900ドルとアフリカ平均の5,000ドルを2割ほど下回りますが、アフリカでは中位の国と言えます。
アフリカ諸国の基本的な経済指標については以前まとめていますので、そちらを参照してください。
ここではアフリカの経済指標についてざっくり整理します。 アフリカと一言でいっても、アフリカ連合に加盟している国だけでも55か国もあります。なお、外務省のHPを確認すると2021/2/5時点で54か国となっていますが[…]
貿易収支の推移
早速ですが、以下は1970年以降のザンビアのGDPに占める輸出、輸入および貿易収支のシェアを表します。
出所:UN “The National Accounts Main Aggregates Database”
ザンビアでは過去50年では平均-7%の貿易収支となっています。ただし、2006年以降に限れば+1%の貿易収支と貿易黒字となっており、
直近の2019年でも+3%の収支となっています。
輸出の構成
以下は1995年以降のザンビアの輸出品の構成です。
ザンビアの主な輸出は7. 金属製品が大半を占めており、残りは1. 農林水産品・食料品や2.鉱物などです。
出所:UN comtrade. 注:HSコードの最も粗い21分類を10分類へ集計している。
以下は上記の10分類を100分類弱に細分化した分類の上位5品目を取り上げています。
輸出の大半を占める7. 金属製品の大部分は74. 銅・銅製品で、2019年では輸出全体の72%を占めます。
また、3番目に多い26. 鉱石、スラグ及び灰(2019年では3%)は具体的には銅鉱石と銅関連の商品です。
出所:UN comtrade. 注:分類名称の数字はHSコード2桁を表す。
その他に71. 宝石・貴金属は具体的には金やコバルトを指します。
輸入の構成
一方、輸入の構成については以下のようになっています。
2020年の輸入の構成は、3.化学製品が31%、8.機械が30%、2. 鉱物が10%、残りが26%です。
出所:UN comtrade. 注:HSコードの最も粗い21分類を10分類へ集計している。
輸入品の具体的な商品を見ますと、2020年では84. 一般機械が14%、27.石油天然ガス等が10%、87. 自動車と31. 肥料がともに8%、39.プラスチック製品が5%です。
出所:UN comtrade. 注:分類名称の数字はHSコード2桁を表す。
特に近年では肥料やプラスチック製品の輸入が増加しています。
貿易相手国の構成
次に貿易相手国を確認します。以下は2020年の貿易相手シェアを表します。
ザンビアの最大の輸出相手国はスイスで輸出全体の44.3%を占めます。
2位の中国(18.7%)に比べると2倍以上にあたり、スイスに強く依存した輸出構造となっています。
なお、上位5カ国で輸出の90%、上位10か国で95%を占めています。
出所:UN comtrade.
最大の輸入相手国は南アフリカで全体の33.2%を占めており2位の中国(16.8%)に比して倍近く輸入しています。
なお、上位5カ国では66%、上位10カ国では76%を占めます。
さいごに
ザンビアの貿易の特徴は以下のとおりです。
- 過去50年ではGDP比で平均-7%の貿易赤字。ただし、2006年以降に限れば+1%の貿易黒字
- 主な輸出品は銅および銅製品
- 主な輸入品は機械類や石油天然ガスに加え、近年は肥料やプラスチック製品が増加
- 主な輸出相手国はスイス、中国
- 最大の輸入相手国は南アフリカで、次ぐの中国のおよそ倍を占める
以上となります。引き続き他の国についても調べています。