今回はブルンジにおける児童労働についてデータを整理します。
ただし、児童労働の問題には就学の問題も関連することが多いため、はじめに就学率についてデータを確認します。
ブルンジの基本情報
ブルンジはコンゴ民主共和国、ルワンダ、タンザニアの国境に位置する東アフリカの国です。
ブルンジの人口は2016年時点で約1,200万人とアフリカでは平均より少し人口の少ない国です。
ただし、人口密度は415人/km2とアフリカ平均の40人/km2の10倍以上あります。
一方、一人あたりGDPは2016年時点で700ドルとアフリカ平均の5,000ドルの1/7程度であり、アフリカでも下から2番目の国です。
アフリカ諸国の基本的な経済指標については以前まとめていますので、そちらを参照してください。
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また、アフリカ諸国間のGDP成長率の相関については、以下をご覧ください。
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就学率(教育)
以下はアフリカ諸国および参考国(米国、中国)における就学率を表します。(括弧内の数字はデータの年次を表します。)
なお、ここでの就学率は初等教育対象年齢人口に対する初等教育に入学した人口をします。
参考国である米国と中国の就学率はそれぞれ、95.6%と89.3%に対し、ブルンジは93.4%と両国の間に位置しており、アフリカ諸国の中でも20番目と中位水準となっています。
出所:World Development Indicators, July 2023.
次に、就学率の推移をみます。
1970年代の就学率は20%ほどでしたが、その後は1980年代と2010年代に急激に上昇し、直近では80%と多くの児童に教育が行き届いている状況に達しています。
なお、男女別にみると当初は10パーセントポイントほど男女間で格差がありましたが、直近ではほぼ同水準となっています。
出所:World Development Indicators, July 2023.
なお、人口に占める学歴構成については、以下の時期で取り上げています。
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児童就業率(児童労働)
次に、児童の就業率について確認します。
以下のグラフは7-14歳人口に占める就業率を表しており、左図は全体、中図は男子、右図は女子の就業率のランキングとなっています。
ブルンジの全体の児童就業率は32%でデータの確認できる44か国中20番目となっています。
また、男子は31%で44か国中25番目、女子は32%で20番目と男女ともに中位水準となっており、児童の3人に1人は労働をおこなっている状況となっています。
出所:World Development Indicators, July 2023.
以下の左図は児童労働における産業別構成比を表しており、右図では就業形態別の構成比を表します。
(ただし、産業データはデータソースであるWDIでは公表されておりません。)
就業構成を見ると、家族従業者が85%と大部分を占めており、雇用者は6%程度に留まっています。
出所:World Development Indicators, July 2023.
なお、一国全体の労働構成については以下の記事を参照ください。
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児童の平均労働時間
次に、児童の平均労働時間ついて確認します。
以下のグラフは労働に従事している(就業している)児童の週平均労働時間のランキングを示しており、左図は非就学児童の平均労働時間、右図は就学も就業もしている児童の平均労働時間を示しています。
左図の非就学の就業児童の労働時間では、ブルンジは15時間と(データの確認できる)アフリカの41か国中26番目に長くなっています。
同様に、右図の就学している就業児童の労働時間は12時間であり(データの確認できる)アフリカの41か国中18番目となっています。
出所:World Development Indicators, July 2023.
男女別の労働時間をみると、非就学の就業児童の労働時間では男女ともに15時間と同水準となっているの対し、就学している就業児童の労働時間では男子が12.5時間、女子が10.6時間と2時間程度の差が見られます。
出所:World Development Indicators, July 2023.
さいごに
今回は就学率や児童の就業率や労働時間について整理しましたが、児童労働の賃金データや産業別の児童労働時間などのデータについては確認することができませでした。
しかし、一国全体で見れば賃金や詳細な労働時間については以下の記事で扱っていますので、宜しければご覧ください。
今回はブルンジの労働統計についてフォーカスしたいと思います。 この記事では、産業別や職業別の平均賃金、また産業別や職業別の平均労働時間についてまとめています。 ブルンジの基本情報 ブルンジはコンゴ民主共和国、ル[…]