ケニアの就業状況:就業率、失業率、職業構成比、労働生産性を確認

今回はケニアの労働関連のデータについて簡単に整理します。

 

ケニアの基本情報

ケニアはソマリア、エチオピア、ウガンダ、タンザニアを隣国にもつ東アフリカの国です。

 

ケニアの人口は2016年時点で約4,700万人とアフリカでは7番目に人口が多い国です。

人口密度は81人/km2とアフリカ平均の40人/km2の2倍ほどです。

 

一人あたりGDPは2016年時点で3,200ドルとアフリカ平均の5,000ドルの6割程度です。

アフリカ諸国の基本的な経済指標については以前まとめていますので、そちらを参照してください。

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ケニアの就業率と失業率、ニート率

就業率

以下は1991年から2019年における男女別の就業率の推移を表しています。

出所:ILO Modelled Estimates, 2020年11月推計

 

ケニアの就業率は過去28年間では2005年に谷があるものの、おおよそ70%程度で推移しています。

女性の就業率は男性に比べ5ポイントほど低くなっていますが、男性と同様の推移を辿っています。

 

失業率

次に失業率について確認します。以下は2019年における失業率のランキングを示します。

2019年におけるケニアの失業率は2.6%とアフリカでは比較的低い失業率となっており、日本の2.4%とあまり差異がありません。

出所:ILO Modelled Estimates, 2020年11月推計

 

次に1991年から2019年における男女別の失業率の推移について確認します。

出所:ILO Modelled Estimates, 2020年11月推計

ケニアではもともと失業率は3%以下と低いものの、近年ではさらに低くなりつつあります。

2019年には男性の失業率は2.4%、女性は2.8%となっています。

 

ニート率

次は就学・就労していない、また職業訓練も受けていない若者、いわゆるニート(NEET:Not in Education, Employment or Training)について確認します。

以下は2005年から2019年におけるニート率を示しています。

出所:ILO Modelled Estimates, 2020年11月推計

 

日本ではニート率は3-4%程度でしたが、ケニアのニート率は高くなっています。

ただし、2005年から2019年にかけて21%から16%へ減少しています。

男女別では女性のニート率は著しく高く、2019年では男性は12%に対し、女性は19%となっています。

 

ケニアの労働生産性と就業構成

労働生産性

以下は2019年における労働生産性(GDP/就業者数)のランキングを示します。

ケニアの労働生産性は10,000ドルであり、アフリカで23番目に高い国です。

なお、日本の労働生産性は77,500ドル、アフリカでもっとも労働生産性の高いガボンの55,700ドルであり、これらの国に比べるとケニアは1/6-1/8程度の水準にあります。

出所:ILO Modelled Estimates, 2020年11月推計

 

就業構成

以下は1991年から2019年における労働生産性(GDP/就業者数)と就業者全体に占める女性シェアを示します。

出所:ILO Modelled Estimates, 2020年11月推計

ケニアの労働生産性は過去28年間では8,600ドルから9,800ドルと僅か13%の増加にとどまっています。

また就業者全体に占める女性シェアもあまり変化はなく50%弱で安定しています。

 

職業構成

以下は1991年から2019年における職業構成比の推移を表しています。なお、6.農林水産従事者, 9.単純作業従事者についてはシェアが70%以上と大半を占めるため、右軸を用いています。

出所:ILO Modelled Estimates, 2020年11月推計

ケニアでは過去28年間で6.農林水産従事者, 9.単純作業従事者が減少した分、その他の職業が上昇しています。

 

以下は2019年の男女別の職業構成比を示します。

出所:ILO Modelled Estimates, 2020年11月推計

 

男女別にみると、6.農林水産従事者, 9.単純作業従事者を除けば、男性は2.専門職、3.技師、准専門職、7.技能工及び関連職業の従事者、8.設備・機械の運転・組立工が多く、

女性は5.サービス・販売従事者が多くなっています。

 

さいごに

ケニアの労働についてまとめると以下のとおりです。

  • 就業率は70%程度
  • 失業率は2.6%
  • 労働生産性は10,000ドル
  • 就業者全体に占める女性シェアは49%

引き続き他の国についても調べていきます。

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