ルワンダの就業状況:就業率、失業率、職業構成比、労働生産性を確認

今回はルワンダの労働関連のデータについて簡単に整理します。

 

ルワンダの基本情報

ルワンダはコンゴ、コンゴ民主共和国、ウガンダ、タンザニア、ブルンジの国境の境目に位置する東アフリカの小国です。

 

ルワンダの人口は2016年時点で約1,200万人で、アフリカでは平均的な人口の国です。

ただ国土が小さいことから人口密度はモーリシャスに次いでアフリカで2番目に蜜となっています。

 

一人あたりGDPは2016年時点で1,800ドルとアフリカ平均の5,000ドルの4割弱です。

アフリカ諸国の基本的な経済指標については以前まとめていますので、そちらを参照してください。

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また、アフリカ諸国間のGDP成長率の相関については、以下をご覧ください。

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就業率と失業率、ニート率

就業率

以下は1991年から2019年における男女別の就業率の推移を表しています。

出所:ILO Modelled Estimates, 2020年11月推計

 

ルワンダの就業率は1991年から2019年で90%から82%へ減少しています。

1991年時点では総じて女性よりも男性の方が高い就業率となっていますが、直近ではその乖離は解消しています。

 

失業率

次に失業率について確認します。以下は2019年における失業率のランキングを示します。

2019年におけるルワンダの失業率は1.0%とアフリカでは2番目に低い水準となっています。

なお、もっとも失業率の高い国は南アフリカの28.5%です。

出所:ILO Modelled Estimates, 2020年11月推計

 

次に1991年から2019年における男女別の失業率の推移について確認します。

出所:ILO Modelled Estimates, 2020年11月推計

直近の失業率は1%ほどで、1991年の0.3%からわずかに上昇していますが、依然低い水準と言えます。

男女別に失業率を見ると、かつては男性の方が高い失業率となっていましたが、直近では女性と逆転しています。

 

ニート率

次は就学・就労していない、また職業訓練も受けていない若者、いわゆるニート(NEET:Not in Education, Employment or Training)について確認します。

以下は2005年から2019年におけるニート率を示しています。

出所:ILO Modelled Estimates, 2020年11月推計

 

日本ではニート率は3-4%程度でしたが、ルワンダのニート率は4-6%ほどと、日本と近似した水準となっています。

また、ニート率は総じて女性が高くなっています。

 

労働生産性と就業構成

労働生産性

以下は2019年における労働生産性(GDP/就業者数)のランキングを示します。

ルワンダの労働生産性は4,500ドルであり、アフリカでは40番目の水準にあります。

なお、日本の労働生産性は77,500ドル、アフリカでもっとも労働生産性の高いガボンの55,700ドルであり、これらの国に比べるとルワンダは1/10以下となっています。

出所:ILO Modelled Estimates, 2020年11月推計

 

就業構成

以下は1991年から2019年における労働生産性(GDP/就業者数)と就業者全体に占める女性シェアを示します。

出所:ILO Modelled Estimates, 2020年11月推計

ルワンダの労働生産性は1991年時点では2,000ドルに対し、現在は4,500ドルと2倍以上に増加しています。

一方、就業者全体に占める女性シェアは同期間では50%から52%と微増でとどまっています。

職業構成

以下は1991年から2019年における職業構成比の推移を表しています。

出所:ILO Modelled Estimates, 2020年11月推計

ルワンダでは6.農林水産従事者, 9.単純作業従事者のシェアがいまだに8割ほどを占めています。

 

以下は2019年の男女別の職業構成比を示します。

出所:ILO Modelled Estimates, 2020年11月推計

 

ルワンダでは職業により男性と女性のシェアの違いは、男性は1.管理職、2.専門職、7.技能工及び関連職業の従事者が多い一方で、女性は比較的5.サービス・販売従事者が多くなっています。

 

さいごに

ルワンダの労働についてまとめると以下のとおりです。

  • 就業率は8割程度
  • 失業率は1.0%
  • 労働生産性4,500ドル
  • 就業者全体に占める女性シェアは52%

引き続き他の国についても調べていきます。

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