チュニジアの所得格差と貧困

今回はチュニジアの所得格差と貧困について簡単に整理します。

 

チュニジアの基本情報

チュニジアはアルジェリアとリビアの間に位置する北アフリカの国です。

 

チュニジアの人口は2016年時点で約1,100万人とアフリカでは平均的な規模の国です。一方、人口密度は70人/km2とアフリカ平均の40人/km2の2倍近いです。

 

一人あたりGDPは2016年時点で11,500ドルとアフリカ平均の5,000ドルの2倍以上とアフリカでは比較的裕福な国です。

アフリカ諸国の基本的な経済指標については以前まとめていますので、そちらを参照してください。

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また、アフリカ諸国間のGDP成長率の相関については、以下をご覧ください。

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ジニ係数

所得格差の表す代表的な指標にジニ係数というものがあります。

ジニ係数とは

ジニ係数は、イタリアの統計学者コラド・ジニにより考案された所得などの分布の均等度合を示す指標で、国民経済計算等に用いられる。ジニ係数の値は0から1の間をとり、係数が0に近づくほど所得格差が小さく、1に近づくほど所得格差が拡大していることを示す。一般に0.5を超えると所得格差がかなり高い状態となり是正が必要となると言われている。(出所:野村証券, 証券用語解説集

とあるとおり、0に近いほど格差が無い状態を表します。

例えば、日本は0.33、米国は0.42であり、米国の方が所得格差が大きいと言えます。

 

チュニジアのジニ係数は0.33であり、アフリカでは所得格差が低い国と言えます。

 

出所:World Development Indicators

 

以下はジニ係数(縦軸)と一人当たりGDP(横軸)の関係を表しています。

アフリカでは一人当たりGDPとジニ係数は負の相間が見られますが、チュニジアは比較的高い一人当たりGDPかつ低いジニ係数となっています。

出所:World Development Indicators

 

スラム人口ランキング

次はスラム人口についてです。

以下は都市部人口に占めるスラム人口比率のランキングを表しています。

 

アフリカでは中央アフリカ共和国のスラム人口比率が95%ともっとも高い一方で、チュニジアはアフリカでは8%と2番目に低い比率となっています。

出所:World Development Indicators

 

以下は、都市部に占めるスラム人口比率(縦軸)と全人口に占める都市部人口比率(横軸)をプロットしたものです。

アフリカではスラム人口比率と都市部人口比率においては僅かに負の相間が見られますが、

チュニジアは都市人口比率はアフリカではやや高い水準にある一方で、スラム人口比率はかなり低い水準となっています。

出所:World Development Indicators

 

以下は一人当たりGDPと全人口に占める都市部人口比率の推移を表します。

1990年以降一人当たりGDPは順調に右肩上がりに成長しており、この期間においては都市部人口比率も緩やかに上昇しています。

出所:World Development Indicators

 

所得分配

以下は上位10%, 10-20%, 20-40%, 40-60%, 60-80%, 80-90%, 90-100%と7つの所得層における所得の所得の分布の推移を表します。

上位10%の所得階層が、所得全体の30%近くを所有している一方で、下位10%の所得階層は全体の5%以下しか占めておりません。

また、この所得分配の状況は1985年以降徐々に格差が小さくなってきています。

出所:World Development Indicators

 

さいごに

今回は所得格差と貧困について、ジニ係数やスラム人口比率の観点から見てました。

関連して貧困率やODAに関する記事も是非ご覧ください。

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