チャドの産業構造:GDPシェア、GDP寄与度、労働者数シェア、労働生産性について

今回はチャドの産業構造を確認します。

 

チャドの基本情報

チャドはリビア、ニジェール、ナイジェリア、カメルーン、中央アフリカ共和国、スーダンを隣国にもつアフリカ中部の国です。

チャドの人口は2016年時点で1,400万人とアフリカでは平均的な人口を有する国です。

人口密度は11人/km2とアフリカ平均40人/km2の1/4程度です。

 

一人あたりGDPは2016年時点で2,100ドルとアフリカ平均の5,000ドルの4割程度です。

アフリカ諸国の基本的な経済指標については以前まとめていますので、そちらを参照してください。

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また、アフリカ諸国間のGDP成長率の相関については、以下をご覧ください。

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産業別GDP構成比

早速ですが、以下はチャドの1970年から2019年までの産業別のGDP構成比の推移を表します。

出所:UN “The National Accounts Main Aggregates Database”

 

チャドの主な産業は1.農業と5.商業・レストラン・ホテルであり、この2産業で一国全体のGDPの6-7割程度を占めています。

また、近年では7.その他サービスは上昇傾向にあります。

産業別GDP寄与度

以下はGDPにおける5年平均の産業別寄与度を表します。

出所:UN “The National Accounts Main Aggregates Database”に基づく推計値

 

チャドは1975年のフェリックス・マルームによるクーデターにより政権が混乱した影響により1970年代後半には-8%と大幅なマイナス成長となっていますが、その後の2000年までは年平均でおよそ2-4%程度の成長となっています。

2000年代前半には2桁成長を遂げますが、近年ではほぼ0%成長となっています。

産業別就業者数シェア

以下は1991年から2019年の産業別就業者数のシェアを表します。

出典:ILO Modelled Estimatesに基づく推計

 

もっとも就業者の多い産業は1.農業であり、1991年では一国全体の80%を占めていましたが、2019年には75%まで減少しています。

一方、5.商業・レストラン・ホテルの就業者数シェアは8%から13%まで増加しています。

 

産業別労働生産性(産業別就業者あたりGDP)

以下は2019年における産業別の労働生産性(産業別の就業者一人あたりGDP)を米ドル換算で表しています。

出典:ILO Modelled EstimatesおよびUN “The National Accounts Main Aggregates Database”に基づく推計

 

2019年における全体の労働生産性は2,100ドルほどですが、産業によりそれは大きく異なります。

もっとも労働生産性が高い産業は2.鉱業・電ガス水であり、労働生産性は56,000ドルほどです。

一方、もっとも生産性の低い産業は1.農業であり労働生産性はわずか800ドル程度となっています。

 

さいごに

チャドの産業構造についてまとめると以下のとおりです。

  • 主な産業は1.農業と5.商業・レストラン・ホテルであり、この2産業で一国全体のGDPの6-7割程度
  • 1970年代後半はマイナス成長でしたが、その後はプラスに転化し、2000年代前半には2桁成長
  • 就業者の多い産業は1.農業で一国全体の70-80%程度
  • 労働生産性が高い産業は2.鉱業・電ガス水(56,000ドル)。一方もっとも低いのは1.農業(800ドル)

引き続き他の国についても調べていきます。

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