今回はナミビアの産業構造を確認します。
ナミビアの基本情報
ナミビアは南アフリカ、ボツワナ、アンゴラ、ザンビアを隣国にもつアフリカ南部の国です。
ナミビアの人口は2016年時点で1,700万人とアフリカでは平均的な人口を有する国です。
人口密度は22人/km2とアフリカ平均40人/km2の半分程度です。
一人あたりGDPは2016年時点で3,900ドルとアフリカ平均の5,000ドルの8割程度です。
アフリカ諸国の基本的な経済指標については以前まとめていますので、そちらを参照してください。
ここではアフリカの経済指標についてざっくり整理します。 アフリカと一言でいっても、アフリカ連合に加盟している国だけでも55か国もあります。なお、外務省のHPを確認すると2021/2/5時点で54か国となっていますが[…]
産業別GDP構成比
早速ですが、以下はナミビアの1970年から2019年までの産業別のGDP構成比の推移を表します。
出所:UN “The National Accounts Main Aggregates Database”
ナミビアの主産業は7.その他サービスで1970年では30%程でしたが、1990年代半ば以降は50%近くを占めるほどとなっています。
7.その他サービスが拡大するのに呼応して、2.鉱業のシェアは30%から10%超ほどに減少しています。
産業別GDP寄与度
以下は1970年以降のGDPに対する5年平均の産業別寄与度を表しています。
出所:UN “The National Accounts Main Aggregates Database”に基づく推計値
ナミビアは1970-2015年と長期にわたり、2-5%ほどと比較的緩やかな経済成長を遂げています。この期間における主な成長要因は7.その他サービスや5.商業などが起因しています。
産業別就業者数シェア
以下は1991年から2019年の産業別就業者数のシェアを表します。
出典:ILO Modelled Estimatesに基づく推計
もっとも就業者の多い産業は1990年初頭では1.農業で全体の50%を占めていましたが、2019年には20%まで減少しています。
一方、7.サービスは25%から40%近くまでシェアが拡大しており、直近では就業者がもっとも多い産業となっています。また、5.商業も10%から20%超まで拡大しており、近年では1.農業とほぼ同水準となっています。
産業別労働生産性(産業別就業者あたりGDP)
以下は2019年における産業別の労働生産性(産業別の就業者一人あたりGDP)を米ドル換算で表しています。
出典:ILO Modelled EstimatesおよびUN “The National Accounts Main Aggregates Database”に基づく推計
2019年における一国全体の労働生産性は15,000ドルほどですが、産業によりそれは大きく異なります。
もっとも労働生産性が高い産業は2.鉱業であり、労働生産性は71,000ドルほどです。
一方、もっとも生産性の低い産業は1.農業であり労働生産性はわずか5,000ドル弱に留まっています。
さいごに
ナミビアの産業構造についてまとめると以下のとおりです。
- 一国全体に占めるGDPシェアは7.その他サービスが最大であり、およそ50%近くを占める
- 1970-2015年と長期にわたる経済成長は2-5%ほどと比較的安定的
- 労働生産性が高い産業は2.鉱業(71,000ドル)。一方もっとも低いのは1.農業(5,000ドル)
引き続き他の国についても調べていきます。