今回はウガンダの産業構造を確認します。
ウガンダの基本情報
ウガンダはルワンダ、コンゴ民主共和国、ケニア、タンザニア、南スーダンの国境の境目に位置する東アフリカの国です。
ウガンダの人口は2016年時点で約4,000万人で、アフリカ54カ国中では10番目に人口が多い国です。
また人口密度も高くアフリカで9番目に人口が密集する国です。
一人あたりGDPは2016年時点で2,100ドルとアフリカ平均の5,000ドルの4割程度です。
アフリカ諸国の基本的な経済指標については以前まとめていますので、そちらを参照してください。
ここではアフリカの経済指標についてざっくり整理します。 アフリカと一言でいっても、アフリカ連合に加盟している国だけでも55か国もあります。なお、外務省のHPを確認すると2021/2/5時点で54か国となっていますが[…]
産業別GDP構成比
早速ですが、以下はウガンダの1970年から2019年までの産業別のGDP構成比の推移を表します。
出所:UN “The National Accounts Main Aggregates Database”
ウガンダの主産業は1970年では1.農業で一国全体の半分近くを占めていましたが、1990年以降減少へ転じて近年では20%強となっています。
一方、7.その他サービスは近年では30%に達し、最大の産業となっています。
産業別GDP寄与度
以下は1970年以降のGDPに対する5年平均の産業別寄与度を表しています。
出所:UN “The National Accounts Main Aggregates Database”に基づく推計値
ウガンダは1970年代前半はほぼゼロ成長、1970年代後半には-4%と経済の混乱が見受けられます。
ただし、1980年以降はプラス成長へ転じて、1990年代以降平均6%強の高い経済成長が継続しています。その多くは、7.その他サービスや5.商業・レストラン、ホテルなどが寄与しています。
産業別就業者数シェア
以下は1991年から2019年の産業別就業者数のシェアを表します。
出典:ILO Modelled Estimatesに基づく推計
もっとも就業者の1.農業は現在でも一国全体の70%以上占めています。
経済への波及効果の大きい3.製造業については、1991年の6%強から年々減少し、近年では4%程度となっています。
産業別労働生産性(産業別就業者あたりGDP)
以下は2019年における産業別の労働生産性(産業別の就業者一人あたりGDP)を米ドル換算で表しています。
出典:ILO Modelled EstimatesおよびUN “The National Accounts Main Aggregates Database”に基づく推計
2019年における一国全体の労働生産性は2,000ドルほどですが、産業によりそれは大きく異なります。
もっとも労働生産性が高い産業は2.鉱業であり、労働生産性は18,000ドルほどです。
一方、もっとも生産性の低い産業は1.農業であり労働生産性はわずか600ドル弱に留まっています。
さいごに
ウガンダの産業構造についてまとめると以下のとおりです。
- 1970年では一国全体の半分近くを占めていました1.農業は近年では20%強まで減少
- 1970年代は弱い経済成長だったものの、1990年代以降は平均6%強の高い経済成長が継続
- 労働生産性が高い産業は2.鉱業(18,000ドル)。一方もっとも低いのは1.農業(600ドル)
引き続き他の国についても調べていきます。