今回はコンゴ民主共和国の平均寿命、死亡率、出生率について簡単に整理します。
コンゴ民主共和国の基本情報
コンゴ民主共和国はアフリカ中部に位置する内陸の国です。
コンゴ民主共和国の人口は2016年時点で8,000万人とアフリカでは4番目に人口の多い国です。
一方、人口密度は34人/km2とアフリカ平均40人/km2の8割程度の水準です
一人あたりGDPは2016年時点で800ドルとアフリカ平均の5,000ドルの2割程度であり、アフリカで3番目に低位の国です。
アフリカ諸国の基本的な経済指標については以前まとめていますので、そちらを参照してください。
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また、アフリカ諸国間のGDP成長率の相関については、以下をご覧ください。
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平均寿命と生存率
以下のグラフはアフリカ諸国における平均寿命のランキングを示しています。
アフリカで最も平均寿命が長い国はセーシェルの77.2歳となっています。しかしセーシェルの平均寿命は米国の77.3歳、日本の84.6歳に比べれば依然短くなっています。
一方、コンゴ民主共和国の平均寿命は61.0歳とアフリカでは41番目に長寿となっています。
出所:World Development Indicators
以下はコンゴ民主共和国における平均寿命の推移と65歳時点での生存率を表しています。
1960年では平均寿命は41歳でしたが、直近では61歳まで上昇しています。
また、平均寿命は総じて女性の方が男性に比べて2-4歳ほど高くなっています。
65歳時点の生存率については、1960年時点では女性は34%ほど男性は29%ほどであり、1990年代には一時的に低迷していますが、その後一貫して上昇しており、直近では女性は63%、男性が57%ほどまで改善してます。
出所:World Development Indicators
死亡率
以下は年齢階層別の死亡率を表します。
1970年では出生後15%は1歳に満たず亡くなっており、更に5歳までには25%が亡くなっていましたが、直近ではその水準はともに10%以下まで急激に改善しています。
また、子供(5-9歳)、青少年(10-14歳)、若年(20-24歳)の死亡率は1990年以降3%以下で推移しており、また近年にかけて改善傾向にあります。
出所:World Development Indicators
出生時の母体死亡率をみると、医療診断を受けている妊婦ほど死亡率が低くなる傾向が見受けられます。
コンゴ民主共和国では82%の妊婦しか医療診断を受けていないこともあり、出生時の母体死亡率は0.5%とやや高くとなっています。
出所:World Development Indicators
合計特殊出生率
以下は合計特殊出生率と一人当たりGDPの推移を示します。
なお合計特殊出生率とは、
- 合計特殊出生率は「15~49歳までの女性の年齢別出生率を合計したもの」で、次の2つの種類があり、一人の女性がその年齢別出生率で一生の間に生むとしたときの子どもの数に相当する。
- A「期間」合計特殊出生率
ある期間(1年間)の出生状況に着目したもので、その年における各年齢(15~49歳)の女性の出生率を合計したもの。
女性人口の年齢構成の違いを除いた「その年の出生率」であり、年次比較、国際比較、地域比較に用いられている。- B「コーホート」合計特殊出生率
ある世代の出生状況に着目したもので、同一世代生まれ(コーホート)の女性の各年齢(15~49歳)の出生率を過去から積み上げたもの。
「その世代の出生率」である。- 実際に「一人の女性が一生の間に生む子どもの数」はBのコーホート合計特殊出生率であるが、この値はその世代が50歳に到達するまで得られないため、それに相当するものとしてAの期間合計特殊出生率が一般に用いられている。 なお、各年齢別の出生率が世代(コーホート)によらず同じであれば、この二つの「合計特殊出生率」は同じ値になる。
- ただし、晩婚化・晩産化が進行している状況等、各世代の結婚や出産の行動に違いがあり、各年齢の出生率が世代により異なる場合には、別々の世代の年齢別出生率の合計であるAの期間合計特殊出生率は、同一世代のBのコーホート合計特殊出生率の値と異なることに注意が必要である。(出所:厚生労働省)
コンゴ民主共和国では1960年では合計特殊出生率は6.0人ほどであり、1995年には6.5人ほどまで上昇しますが、その後は減少へ転じ、直近では5.7人まで改善しています。
出所:World Development Indicators
さいごに
今回は平均寿命、死亡率、および出生率について見てきました。
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