チュニジアの人口構成と将来の見通し。年齢構成や学歴構成の変化を確認する

今回はチュニジアの人口構成にフォーカスしてみます。

なお、他の国との人口規模については、こちらで比較しております。

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チュニジアの基本情報

チュニジアはアルジェリアとリビアの間に位置する北アフリカの国です。

 

チュニジアの人口は2016年時点で約1,100万人とアフリカでは平均的な規模の国です。一方、人口密度は70人/km2とアフリカ平均の40人/km2の2倍近いです。

 

一人あたりGDPは2016年時点で11,500ドルとアフリカ平均の5,000ドルの2倍以上とアフリカでは比較的裕福な国です。

アフリカ諸国の基本的な経済指標については以前まとめていますので、そちらを参照してください。

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人口の見通し

早速ですが、以下はチュニジアの1950年から2020年までの年齢階層別の人口の推移と、2100年までの見通しです。

出典:UN World Population Prospects 2019

 

チュニジアの人口は2020年では1,200万人ですが、70年前の1950年ではわずか400万人でした。この期間の人口の平均成長率は1.7%です。

また、将来の見通しでは2030年には1,300万人、2050年には1,400万人まで増加する見込みですが、2060年ごろから減少へ転じ、2100年では1,300万人まで減少する見込みです。

人口の平均成長率は2020-2050年が0.5%、2050-2100年は-0.1%の見通しです。

 

人口構成の見通し

こちらは先ほどのグラフの年齢階層シェアの推移です。

1950年では40%あった14歳以下の人口は、1970年ごろには46%まで上昇し、その後は減少に転じます。

2020年には24%となっています。減少傾向は今後も継続し2050年では18%、2100年では14%まで減少する見込みです。

また、80歳以上人口は1950年では0.8%ですが、2020年では1.7%まで増加し、今後は2050年には5.2%、2100年には13.0%まで増加する見込みです。

出典:UN World Population Prospects 2019

 

人口ボーナス・人口オーナス

豊かな労働力は経済成長に寄与しますが、その労働力の豊富さを図る指標として人口ボーナスと人口オーナスというものがあります。

野村証券によると人口ボーナス(および人口オーナス)を以下のように定義してます。

生産年齢人口(15~64歳)に対する従属人口(14歳以下の年少人口と65歳以上の老年人口の合計)の比率が低下し、経済成長を促すこと。人口ボーナス期では豊富な労働力を背景に個人消費が活発になる一方、高齢者が少なく社会保障費用が抑えられるため、経済が拡大しやすい。逆に従属人口の比率が相対的に上昇することを人口オーナスという。

 

以下は、1950-2100年の人口ボーナス・人口オーナスを示します。

チュニジアでは1950-1970年までは人口オーナス期でしたが、その後は2010年へかけて人口ボーナス期を迎えます。

その後は多少の変動はありますが、長期では人口オーナス期となります。

出典:UN World Population Prospects 2019に基づく推計

 

男女別の学歴構成

以下は1950-2015年までの男女別の最終学歴の構成です。

ここでは15歳未満は就学前も、在学中も卒業者もすべて合わせています。残りの5つの学歴については15歳以上を対象としています。

 

出典: Wittgenstein Centre for Demography and Global Human Capitalに基づく推計

 

チュニジアも他のアフリカの国と同様に未就学シェアが1950年以降急激に減少しており、1950-2015年の期間では男性は55%から9%、女性は59%から22%まで減少しています。

一方、高卒および専門・大卒以上は増加しており、男性はそれぞれ0.9%から12.7%、0.1%から9.4%と拡大しています。

同様に女性も学歴化が進み、高卒および専門・大卒以上はそれぞれ0.3%から10.2%、0.0%から9.3%と男性に比べ増加は緩やかですが、拡大傾向にあります。

 

都市部と農村部人口の構成と人口密度

以下は1960年以降の全人口のうち都市部に住む人口シェアと、都市部、農村部および平均の人口密度の推移です。

なお、都市部と農村部の人口密度はデータの制約により1990年以降の10年おきに推計値になります。

 

出典:World Development Indicatorsに基づく推計

チュニジアの都市部人口シェアは急激に増加しています。

1960年では都市部人口のシェアはわずか38%でしたが、現在では69%まで増加してます。

都市部人口の増加に伴い、人口密度も急増しています。都市部の人口密度は1990年の483人/平方kmでしたが、2010年では716人/平方kmと倍近くまで密度が増えており、都市部の土地開発が追い付いていない状況です。

 

さいごに

チュニジアの人口構成と見通しの特徴は以下のとおりです。

  • 人口は1950年、2020年、2100年ではそれぞれ400万人、1,200万人、1,300万人
  • 14歳以下の人口構成は1970年の46%から、2020年は24%、2100年は14%と減少の見込み
  • 80歳以上人口は2020年の1.7%から、2050年は5.2%、2100年は13.0%と緩やかに増加
  • 1950-1970年までは人口オーナス期でしたが、その後は2010年まで人口ボーナス期、その後は長期的に人口オーナス期の見込み
  • 未就学人口は一貫して減少、一方高卒および専門・大卒以上は一貫して増加
  • 都市部人口シェアは1960年から2019年では38%から69%まで増加

 

引き続き他の国についても調べていきます。

 

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