今回はブルキナファソの貿易について整理します。
なおブルキナファソの関税率については以下の記事を参照ください。
今回はブルキナファソの関税率について整理します。 関税率などのデータはWTO Statが公表している、最恵国待遇相手における関税率や免税率などを用いています。 なお、貿易について以下の記事を参照ください。 […]
ブルキナファソの基本情報
ブルキナファソはニジェール、ベナン、トーゴ、ガーナ、コートジボワール、マリと多くの国を隣国にもつ西アフリカの国です。
ブルキナファソの人口は2016年時点で約1,900万人とアフリカでは平均的な人口を有する国です。
人口密度は68人/km2とアフリカ平均の40人/km2の1.7倍程度です。
一人あたりGDPは2016年時点で1,800ドルとアフリカ平均の5,000ドルの4割程度です。
アフリカ諸国の基本的な経済指標については以前まとめていますので、そちらを参照してください。
ここではアフリカの経済指標についてざっくり整理します。 アフリカと一言でいっても、アフリカ連合に加盟している国だけでも55か国もあります。なお、外務省のHPを確認すると2021/2/5時点で54か国となっていますが[…]
また、アフリカ諸国間のGDP成長率の相関については、以下をご覧ください。
今回は2000年以降のアフリカ諸国におけるGDP成長率の相関係数を確認してみます。 まずは、アフリカ諸国のGDPの規模について見てみます。 GDPランキング 以下は2016年のアフリカ諸国におけるGDPランキン[…]
貿易収支の推移
早速ですが、以下は1970年以降のGDPに占める輸出、輸入および貿易収支のシェアになります。
出所：UN “The National Accounts Main Aggregates Database”
ブルキナファソは経常的に貿易赤字構造となっていますが、2010年代から輸出が増加したことで貿易赤字比率は減少しつつあります。
輸出の構成
以下は1995年から2020年までの輸出品構成です。
主な輸出品の大半はかつては1. 農林水産品・食料品、5.繊維・アパレルが大半を占めていましたが、2008年以降10.宝石・貴金属・美術品が拡大し始めて、現在では全体の8割近くを占めています。
出所：UN comtrade. 注：HSコードの最も粗い21分類を10分類へ集計している。
以下は上記の10分類を100分類弱に細分化した分類の上位5品目を取り上げています。
最大の輸出品は1995-2008年では52.綿及び綿製品でしたが、それ以降は急激に減少に転じています。
一方で71.宝石・貴金属（具体的にはゴールド）は2008年ごろから急増し始め、現在では輸出全体の8割を占めています。
出所：UN comtrade. 注：分類名称の数字はHSコード2桁を表す。
輸入の構成
一方、輸入の構成については以下のようになっています。
1.農林水産品・食料品、2.鉱物、3. 化学製品、8.機械が多くを占めます。
出所：UN comtrade. 注：HSコードの最も粗い21分類を10分類へ集計している。
輸入品の具体的な商品を見ると、27.石油天然ガス等、84.一般機械、87.自動車などが多くを占めています。
特に近年では27.石油天然ガス等は一貫して上昇傾向にあります。
出所：UN comtrade. 注：分類名称の数字はHSコード2桁を表す。
貿易相手国の構成
次に貿易相手国を確認します。以下は2020年の貿易相手シェアを表します。
最大の輸出相手国はスイスで輸出全体の76%に相当します。その後はインド、コートジボワールと続きます。
なお上位10カ国の輸出は全体の95%占めています。
出所：UN comtrade.
最大の輸入相手国は中国で輸入全体の15%に相当します。その後はコートジボワール、フランスと続きます。
なお上位10カ国の輸出は全体の64%占めています。
さいごに
ブルキナファソの貿易の特徴は以下のとおりです。
- 経常的に貿易赤字構造となっており、近年ではGDP比で6％の貿易赤字
- 主な輸出品はゴールド
- 最大の輸出相手国はスイス、輸入相手国は中国
以上となります。引き続き他の国についても調べています。