赤道ギニアの就業状況:就業率、失業率、職業構成比、労働生産性を確認

今回は赤道ギニアの労働関連のデータについて簡単に整理します。

 

赤道ギニアの基本情報

赤道ギニアは、国土のうち9割がアフリカ大陸にあり、残りのは南太西洋のギニア湾に浮かぶ島々から構成されています。

首都マラボは大陸ではなくビオコ島にあります。

 

 

赤道ギニアの人口は2016年時点で約90万人とアフリカでは5番目に人口の少ない国です。

人口密度は31人/km2とアフリカ平均の40人/km2の8割程度です。

 

一人あたりGDPは2016年時点で37,000ドルとアフリカ平均の5,000ドルの7倍以上あり、アフリカではもっとも高い国です。

アフリカ諸国の基本的な経済指標については以前まとめていますので、そちらを参照してください。

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また、アフリカ諸国間のGDP成長率の相関については、以下をご覧ください。

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就業率と失業率、ニート率

就業率

以下は1991年から2019年における男女別の就業率の推移を表しています。

出所:ILO Modelled Estimates, 2020年11月推計

 

赤道ギニアの就業率は55-60%代で推移しています。推移は安定で、総じて女性よりも男性の方が高い就業率となっています。

 

失業率

次に失業率について確認します。以下は2019年における失業率のランキングを示します。

2019年における赤道ギニアの失業率は8.0%とアフリカでは中位となっています。

なお、もっとも失業率の高い国は南アフリカの28.5%です。

出所:ILO Modelled Estimates, 2020年11月推計

 

次に1991年から2019年における男女別の失業率の推移について確認します。

出所:ILO Modelled Estimates, 2020年11月推計

失業率は全期間では減少傾向にあります。また、男性よりも女性の方が高い失業率となっています。

 

ニート率

次は就学・就労していない、また職業訓練も受けていない若者、いわゆるニート(NEET:Not in Education, Employment or Training)について確認します。

以下は2005年から2019年におけるニート率を示しています。

出所:ILO Modelled Estimates, 2020年11月推計

 

日本ではニート率は3-4%程度でしたが、赤道ギニアのニート率は25%ほどと日本に比べると高くなっています。

なお、ニート率は総じて女性が高くなっています。

 

労働生産性と就業構成

労働生産性

以下は2019年における労働生産性(GDP/就業者数)のランキングを示します。

赤道ギニアの労働生産性は52,000ドルであり、アフリカでは3番目に高い水準にあります。

なお、日本の労働生産性は77,500ドル、アフリカでもっとも労働生産性の高いガボンの55,700ドルであり、これらの国に比べると赤道ギニアは10%-30%ほど低くなっています。

出所:ILO Modelled Estimates, 2020年11月推計

 

就業構成

以下は1991年から2019年における労働生産性(GDP/就業者数)と就業者全体に占める女性シェアを示します。

出所:ILO Modelled Estimates, 2020年11月推計

赤道ギニアの労働生産性は過去28年間で労働生産性は3,000ドルから一時は120,000ドルに達し、直近では52,000ドルと変動が大きくなっています。

一方、就業者全体に占める女性シェアは43%から37%へ減少しています。

職業構成

以下は1991年から2019年における職業構成比の推移を表しています。

出所:ILO Modelled Estimates, 2020年11月推計

赤道ギニアでは6.農林水産従事者, 9.単純作業従事者のシェアがいまだに4割ほどを占めています。

 

以下は2019年の男女別の職業構成比を示します。

出所:ILO Modelled Estimates, 2020年11月推計

 

赤道ギニアでは職業により男性と女性のシェアの違いは、男性は7.技能工及び関連職業の従事者、8.設備・機械の運転・組立工が多い一方で、女性は5.サービス・販売従事者が多くなっています。

 

さいごに

赤道ギニアの労働についてまとめると以下のとおりです。

  • 就業率は55-60%程度
  • 失業率は8.0%
  • 労働生産性52,000ドル
  • 就業者全体に占める女性シェアは37%程度

引き続き他の国についても調べていきます。

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