エスワティニの就業状況:就業率、失業率、職業構成比、労働生産性を確認

今回はエスワティニの就業率、失業率、労働生産性などの労働関連のデータについて簡単に整理します。

なお、産業別の労働者数や賃金・労働時間に関しては以下の記事を参照ください。

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エスワティニの基本情報

エスワティニは南アフリカ、モザンビークを隣国にもつアフリカ南部の国です。

かつてはスワジランドと呼ばれていましたが、2018年にエスワティニと改名しました。

エスワティニの人口は2016年時点で130万人とアフリカでは比較的人口の少ない国です。

一方、人口密度は75人/km2とアフリカでは比較的人口密度の高い国です。

 

また、一人あたりGDPは2016年時点で8,500ドルとアフリカでは比較的高い国です。

アフリカ諸国の基本的な経済指標については以前まとめていますので、そちらを参照してください。

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また、アフリカ諸国間のGDP成長率の相関については、以下をご覧ください。

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就業率と失業率、ニート率

就業率

以下は1991年から2022年における男女別の就業率の推移を表しています。

エスワティニの就業率

出所:ILO Modelled Estimates, November 2022.

 

エスワティニの就業率は約30年間では緩やかに低下傾向にあり、1991年から2019年では43%から38%となっています。

特に男性の就業率は同期間では52%から42%へ大幅に減少しています。ただし、女性については34%から35%と微増しており、男女間での就業率は大幅に近づいてきています。

 

失業率

次に失業率について確認します。以下は2022年における失業率のランキングを示します。

エスワティニの失業率は21.8%とアフリカ諸国においても3番目に高い水準にあります。

失業率ランキング

出所:ILO Modelled Estimates, November 2022.

 

次に1991年から2022年における男女別の失業率の推移について確認します。

エスワティニの失業率

出所:ILO Modelled Estimates, November 2022.

エスワティニの失業率は1991年においても22%と高い水準にありましたが、直近では25%ほどとさらに上昇しています。

特に女性の失業率は男性に比べて高く、1991年では23%ほどでしたが、2007年のリーマンショック前には31%まで上昇しています。

その後は減少へ転じていますが、新型コロナ時には再び上昇し、直近では26%ほどの水準にあります。

 

ニート率

次は就学・就労していない、また職業訓練も受けていない若者、いわゆるニート(NEET:Not in Education, Employment or Training)について確認します。

以下は2005年から2022年におけるニート率を示しています。

エスワティニのニート率

出所:ILO Modelled Estimates, November 2022.

 

エスワティニではニート率は2005年では40%と非常に高い水準ですが、緩やかに低下傾向にあり2022年には35%ほどとなっています。

男女別に見ると、男性の方が女性に比べニート率が低くなっており、その格差は10ポイント超で安定しています。

 

労働生産性と就業構成

労働生産性

以下は2021年における労働生産性(GDP/就業者数)のランキングを示します。

エスワティニの労働生産性は36,000ドルとアフリカ諸国では10位に位置しており、中国よりも高い水準となっています。

しかし、それは高い失業率の恩恵とも言えます。

労働生産性ランキング

出所:ILO Modelled Estimates, November 2022.

 

就業構成

以下は1991年から2021年における労働生産性(GDP/就業者数)と就業者全体に占める女性シェアを示します。

エスワティニの労働生産性と女性比率

出所:ILO Modelled Estimates, November 2022.

エスワティニの労働生産性は1991年には22,000ドルから2021年には36,000ドルと1.5倍ほどと急増しています。

また、この期間における就業者全体に占める女性シェアは僅かに変動はあるものの、おおよそ上昇傾向となっており、2021年には46%となっています。

 

職業構成

以下は1991年から2019年における職業構成比の推移を表しています。

エスワティニの職業構成比

出所:ILO Modelled Estimates, November 2020.

エスワティニではかつては6-農林漁業従事者, 9-単純作業の従事者のシェアが30%超を占めていましたが、2019年には25%以下まで減少しています。

一方で、5.サービス・販売従事者や2.専門職などの職業は拡大傾向にあります。

 

 

以下は2019年の男女別の職業構成比を示します。

エスワティニの職業構成比

出所:ILO Modelled Estimates, November 2020.

 

エスワティニでは7. 技能工及び関連職業の従事者、8.設備・機械の運転・組立工などでは男性の比率が高い一方で、女性では5.サービス・販売従事者などの職業の比率が多くなっています。

 

さいごに

エスワティニの労働についてまとめると以下のとおりです。

  • 就業率は38%
  • 失業率は21.8%
  • 労働生産性は36,000ドル
  • 就業者全体に占める女性シェアは46%

引き続き他の国についても調べていきます。

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