今回はカメルーンのCO2・エネルギーのデータについて簡単に整理します。
カメルーンの基本情報
カメルーンはナイジェリア、チャド、中央アフリカ共和国、コンゴ、赤道ギニア、ガボンに接する中央アフリカの国です。
カメルーンの人口は2016年時点で約2,400万人で、アフリカではやや人口の多い国です。
一方、一人あたりGDPは2016年時点で3,200ドルとアフリカ平均の5,000ドルの6割程度とアフリカではやや低位の国です。
アフリカ諸国の基本的な経済指標については以前まとめていますので、そちらを参照してください。
ここではアフリカの経済指標についてざっくり整理します。 アフリカと一言でいっても、アフリカ連合に加盟している国だけでも55か国もあります。なお、外務省のHPを確認すると2021/2/5時点で54か国となっていますが[…]
CO2排出量とエネルギー消費の国際比較
CO2排出量の国際比較
以下は2016年における全世界に占めるアフリカ諸国のCO2排出量のシェアを表しています。
カメルーンはアフリカでは17番目に多くCo2を排出しており、世界全体の0.03%程を占めています。
なお、日本は3.4%程のCO2を排出しており、それはアフリカ全体(4.1%)の8割ほどに相当します。
出所:World Development Indicators
再生可能エネルギーの国際比較
以下は2015年におけ最終エネルギー消費に占める再生可能エネルギー比率のランキングを示します。
アフリカで17番目に多くCO2を排出していたカメルーンの再生可能エネルギー比率は77%とアフリカでは21番目に高いシェアとなっています。
なお日本は6%ほど、全世界平均は18%ほどとなっています。
(アフリカ諸国の再生可能エネルギー比率が高いのは導入しやすい水力発電やバイオ燃料とその廃棄物(Biofuel and Waste)に依存する場合が多いことと、そもそもエネルギー消費量が少なく水力発電による発電やバイオ燃料とその廃棄物で十分エネルギー供給が間に合っているためだと考えられます。)
出所:World Development Indicators
電力アクセス率の国際比較
以下はアフリカ諸国の2016年における電力アクセス率(Access to electricity)を表します。
カメルーンの電力アクセス率は63%です。なお、アフリカの54か国のうち電力アクセス率が100%の国は7か国に留まっています。
出所:World Development Indicators
GDPあたりCO2排出量の国際比較
以下はアフリカ諸国の2016年におけるGDPあたりCO2排出量を表します。GDPあたりCO2排出量は数字が大きくなるにつれて一単位あたりの生産を行うのに多くのCO2を必要とすることをを示します。
例えば、全世界のGDPあたりCO2排出量は0.29kg/US$であるのに対し、日本は0.22kg/US$と日本は世界平均に比べ生産時に排出CO2が2割ほど少ないこと示します。
カメルーンのGDPあたりCO2排出量は0.1kg/US$であり、アフリカではGDPあたりCO2排出量が比較的少ない国と言えます。
なお、アフリカ諸国のGDPあたりCO2排出量が総じて低いのは、エネルギーの投入をあまり必要としない農業などの産業が多く、また再生可能エネルギーの比率が高いことなどが要因となっています。
出所:World Development Indicators
カメルーンのCO2排出量とエネルギー消費量の推移
CO2排出量の推移
以下は1960年以降におけるカメルーンおよび日本の一人あたりCO2排出量とGDPあたりCO2排出量を表します。
カメルーンの一人あたりCO2排出量は一貫して上昇傾向にあり、過去70年で7倍ほど上昇しており、直近では0.35トン/人となっています。ただし、その水準は日本の1960年代以前の水準にとどまっています。
GDPあたりCO2排出量は1990年以降ではおおよそ0.1kg/US$以下となっています。
一方、日本は1990年以降では0.28kg/US$から0.22kg/US$と2割ほどの改善を実現しています。
出所:World Development Indicators
エネルギー消費量の推移
以下はカメルーンおよび日本の1960年以降における一人当たりエネルギー消費量と一人当たりの電力消費量の推移を示しています。
カメルーンの一人当たりのエネルギー消費量と電力消費量は1970年以降ではそれぞれ、0.8倍と1.8倍となっています。一般的に経済が発展するにつれて、エネルギーとして扱いやすい電力がエネルギー全体の消費量よりも増加する傾向にあります。
カメルーンの一人当たりのエネルギー消費量と電力消費は日本の1960年以前の水準に留まっています。
出所:World Development Indicators
再生可能エネルギー比率の推移
最後に再生可能エネルギー比率について確認します。
カメルーンのエネルギーの再生可能エネルギーは1990年以降75-85%で推移しています。
一方、日本はエネルギー環境政策により、2010年以降では4%から6%まで上昇しております。
出所:World Development Indicators
さいごに
今回はCO2排出量、再生可能エネルギー比率に関して
比較可能な直近の年次におけるアフリカ諸国および日本との国際比較および、日本との時系列比較を行いました。
引き続き他の国についても調べていきます。