モーリシャスの所得格差と貧困

今回はモーリシャスの所得格差と貧困について簡単に整理します。

 

モーリシャスの基本情報

モーリシャスはマダガスカルのさらに東に位置するインド洋に浮かぶ島国です。

モーリシャスの人口は2016年時点で130万人とアフリカでは7番目に人口の少ない国です。

一方、人口密度は626人/km2でアフリカではもっとも人口密度の高い国です。

 

一人あたりGDPは2016年時点で20,000ドルとアフリカ平均の5,000ドルの4倍あり、アフリカでは4番目に高い国です。

アフリカ諸国の基本的な経済指標については以前まとめていますので、そちらを参照してください。

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また、アフリカ諸国間のGDP成長率の相関については、以下をご覧ください。

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ジニ係数

所得格差の表す代表的な指標にジニ係数というものがあります。

ジニ係数とは

ジニ係数は、イタリアの統計学者コラド・ジニにより考案された所得などの分布の均等度合を示す指標で、国民経済計算等に用いられる。ジニ係数の値は0から1の間をとり、係数が0に近づくほど所得格差が小さく、1に近づくほど所得格差が拡大していることを示す。一般に0.5を超えると所得格差がかなり高い状態となり是正が必要となると言われている。(出所:野村証券, 証券用語解説集

とあるとおり、0に近いほど格差が無い状態を表します。

例えば、日本は0.33、米国は0.42であり、米国の方が所得格差が大きいと言えます。

 

モーリシャスのジニ係数は0.37であり、アフリカでは比較的所得格差が小さい国ですが、日本よりは所得格差が大きい国です。

ジニ係数

 

出所:World Development Indicators

 

以下はジニ係数(縦軸)と一人当たりGDP(横軸)の関係を表しています。

アフリカでは一人当たりGDPとジニ係数は負の相間が見られ、モーリシャスは比較的高い一人当たりGDPかつ比較的低いジニ係数となっています。

出所:World Development Indicators

 

所得分配

以下は上位10%, 10-20%, 20-40%, 40-60%, 60-80%, 80-90%, 90-100%と7つの所得層における所得の所得の分布の推移を表します。

上位10%の所得階層が、所得全体のほぼ30%を所有している一方で、下位10%の所得階層は全体の5%以下しか占めておりません。

また、この所得分配の状況は2006年以降あまり変化はしていません。

モーリシャスの所得分配

出所:World Development Indicators

 

さいごに

今回は所得格差と貧困について、ジニ係数やスラム人口比率の観点から見てました。

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