今回はブルンジの産業構造を確認します。
ブルンジの基本情報
ブルンジはコンゴ民主共和国、ルワンダ、タンザニアの国境に位置する東アフリカの国です。
ブルンジの人口は2016年時点で約1,200万人とアフリカでは平均より少し人口の少ない国です。
ただし、人口密度は415人/km2とアフリカ平均の40人/km2の10倍以上あります。
一方、一人あたりGDPは2016年時点で700ドルとアフリカ平均の5,000ドルの1/7程度であり、アフリカでも下から2番目の国です。
アフリカ諸国の基本的な経済指標については以前まとめていますので、そちらを参照してください。
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また、アフリカ諸国間のGDP成長率の相関については、以下をご覧ください。
今回は2000年以降のアフリカ諸国におけるGDP成長率の相関係数を確認してみます。 まずは、アフリカ諸国のGDPの規模について見てみます。 GDPランキング 以下は2016年のアフリカ諸国におけるGDPランキン[…]
産業別GDP構成比
早速ですが、以下は1970年から2019年までの産業別のGDP構成比の推移を表します。
出所:UN “The National Accounts Main Aggregates Database”
GDPシェアのもっとも大きい産業は依然1.農業であり、1970年では70%ほどありましたが、直近では40%ほどに低下しています。
一方、7.その他サービスは1970年では10%超ほどでしたが、2019年には30%超と1.農業に接近しています。
産業別GDP寄与度
以下はGDPにおける5年平均の産業別寄与度を表します。
出所:UN “The National Accounts Main Aggregates Database”に基づく推計値
ブルンジは1990年代半ばに内戦があったことから、1993-1996年の4年間で連続のマイナス成長となっています。その結果、1990年代の平均成長率はマイナスとなっています。
それ以降も経済成長は乏しく、2-3%程度となっています。
産業別就業者数シェア
以下は1991年から2019年の産業別就業者数のシェアを表します。
出典:ILO Modelled Estimatesに基づく推計
もっとも就業者の多い産業は1.農業であり、1991年では90%を占めており、直近でも85%ほどとあまり減少していません。
産業別労働生産性(産業別就業者あたりGDP)
以下は2019年における産業別の労働生産性(産業別の就業者一人あたりGDP)を米ドル換算で表しています。
出典:ILO Modelled EstimatesおよびUN “The National Accounts Main Aggregates Database”に基づく推計
2019年における全体の労働生産性は600ドルほどですが、産業によりそれは大きく異なります。
もっとも労働生産性が高い産業は3.製造業であり、労働生産性は4,300ドルほどです。
一方、もっとも生産性の低い産業は1.農業であり労働生産性はわずか300ドル程度となっています。
さいごに
ブルンジの産業構造についてまとめると以下のとおりです。
- 直近で最もGDPシェアの大きい産業は1.農業、続いて7.その他サービス
- 1970年代後半や1990年代前半はマイナス成長、2000年代は6-7%と高い成長
- 就業者の多い産業は1.農業であり一国全体の85%
- 労働生産性が高い産業は3.製造業(4,300ドル)、一方もっとも低いのは1.農業(300ドル)
引き続き他の国についても調べていきます。