今回はマリの産業構造を確認します。
マリの基本情報
マリはアフリカ西部に位置する内陸の国です。
マリの人口は2016年時点で約1,800万人とアフリカで平均的よりやや人口の多い国です。
人口密度は15人/km2とアフリカ平均の40人/km2の半分以下です。
一人あたりGDPは2016年時点で2,100ドルとアフリカ平均の5,000ドルの4割程度です。
アフリカ諸国の基本的な経済指標については以前まとめていますので、そちらを参照してください。
ここではアフリカの経済指標についてざっくり整理します。 アフリカと一言でいっても、アフリカ連合に加盟している国だけでも55か国もあります。なお、外務省のHPを確認すると2021/2/5時点で54か国となっていますが[…]
また、アフリカ諸国間のGDP成長率の相関については、以下をご覧ください。
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産業別GDP構成比
早速ですが、以下は1970年から2019年までの産業別のGDP構成比の推移を表します。
出所:UN “The National Accounts Main Aggregates Database”
主な産業の1.農業は1970-2019年にかけて80%弱から40%程度まで減少しています。
一方、3.製造業は7%から18%、7.その他サービスは8%から20%まで増加しています。
産業別GDP寄与度
以下はGDPにおける5年平均の産業別寄与度を表します。
出所:UN “The National Accounts Main Aggregates Database”に基づく推計値
1970-1990年では経済成長の変動が大きい一方で、1990年以降ではおおよそ7-10%と安定して高い経済成長を遂げています。
1990年以前は1.農業が主な経済成長の要因でしたが、1990年以降では3.製造業や5.商業・レストラン・ホテル、7.その他サービスも大きく寄与しています。
産業別就業者数シェア
以下は1991年から2019年の産業別就業者数のシェアを表します。
出典:ILO Modelled Estimatesに基づく推計
もっとも就業者の多い産業はいまだに1.農業であり、現在でも一国全体の60%超を占めています。
次に就業者の多い産業は5.商業・レストラン・ホテルであり、同期間では11%から16%まで就業シェアが拡大しています。
また、7.その他サービスも6%から12%まで増加しています。
産業別労働生産性(産業別就業者あたりGDP)
以下は2019年における産業別の労働生産性(産業別の就業者一人あたりGDP)を米ドル換算で表しています。
出典:ILO Modelled EstimatesおよびUN “The National Accounts Main Aggregates Database”に基づく推計
2019年における全体の労働生産性は2,400ドルほどですが、産業によりそれは大きく異なります。
もっとも労働生産性が高い産業は3.製造業であり、労働生産性は10,600ドルほどです。
一方、もっとも生産性の低い産業は2.鉱業・電ガス水であり労働生産性はわずか1,400ドル程度となっています。
さいごに
マリの産業構造についてまとめると以下のとおりです。
- 主な産業は1.農業であり、1970-2019年にかけてGDP比で80%弱から40%程度まで減少
- 1990年以降では7-10%と安定して高い経済成長
- 就業者の多い産業は1.農業であり一国全体の60%
- 労働生産性が高い産業は3.製造業(10,600ドル)。一方もっとも低いのは2.鉱業・電ガス水(1,400ドル)
引き続き他の国についても調べていきます。