今回はカーボベルデの産業構造を確認します。
カーボベルデの基本情報
カーボベルデは大西洋に浮かぶ西アフリカの島国です。
カーボベルデの人口は2016年時点で約53万人とアフリカでは3番目に人口の少ない国です。
人口密度は131人/km2とアフリカ平均40人/km2の2倍以上です。
一人あたりGDPは2016年時点で6,800ドルとアフリカ平均の5,000ドルより3割程度高い国です。
アフリカ諸国の基本的な経済指標については以前まとめていますので、そちらを参照してください。
ここではアフリカの経済指標についてざっくり整理します。 アフリカと一言でいっても、アフリカ連合に加盟している国だけでも55か国もあります。なお、外務省のHPを確認すると2021/2/5時点で54か国となっていますが[…]
また、アフリカ諸国間のGDP成長率の相関については、以下をご覧ください。
今回は2000年以降のアフリカ諸国におけるGDP成長率の相関係数を確認してみます。 まずは、アフリカ諸国のGDPの規模について見てみます。 GDPランキング 以下は2016年のアフリカ諸国におけるGDPランキン[…]
産業別GDP構成比
早速ですが、以下は1970年から2019年までの産業別のGDP構成比の推移を表します。
出所:UN “The National Accounts Main Aggregates Database”
1970年では主要な産業は5.商業・レストラン・ホテルであり、一国全体の1/4を占めていましたが、1990年以降7.その他サービスのシェアが拡大し、直近では35%ほどを占めています。
また、1.農業は1970年から直近までで20%から5%までシェアが縮小してます。
産業別GDP寄与度
以下はGDPにおける5年平均の産業別寄与度を表します。
出所:UN “The National Accounts Main Aggregates Database”に基づく推計値
カーボベルデは1975年にポルトガルから独立して以降。おおよそ3-6%程度の経済成長を遂げています。
特に、1990年代は6%程と高い成長を遂げており、6.運輸・通信、7.その他サービスが経済を牽引していました。
産業別就業者数シェア
以下は1991年から2019年の産業別就業者数のシェアを表します。
出典:ILO Modelled Estimatesに基づく推計
1991年時点でもっとも就業者の多い産業は1.農業であり、30%ほどを占めていましたが、直近では10%まで縮小しています。
直近では、7.その他サービス、5.商業・レストラン・ホテルがそれぞれ35%と25%と高いシェアを占めています。
産業別労働生産性(産業別就業者あたりGDP)
以下は2019年における産業別の労働生産性(産業別の就業者一人あたりGDP)を米ドル換算で表しています。
出典:ILO Modelled EstimatesおよびUN “The National Accounts Main Aggregates Database”に基づく推計
2019年における全体の労働生産性は8,100ドルほどですが、産業によりそれは大きく異なります。
もっとも労働生産性が高い産業は2.鉱業であり、労働生産性は18,000ドルほどです。
一方、もっとも生産性の低い産業は1.農業であり労働生産性はわずか4,100ドル程度となっています。
さいごに
カーボベルデの産業構造についてまとめると以下のとおりです。
- 直近で最もGDPシェアの大きい産業は7.その他サービス
- 1990年代は6%ほどの経済成長、その他の期間ではおおよそ3-5%
- 就業者の多い産業は7.その他サービスであり一国全体の35%
- 労働生産性が高い産業は2.鉱業(18,000ドル)、一方もっとも低いのは1.農業(4,100ドル)
引き続き他の国についても調べていきます。