今回はナイジェリアの人口構成にフォーカスしてみます。
なお、他の国との人口規模については、こちらで比較しております。
ここではアフリカの経済指標についてざっくり整理します。 アフリカと一言でいっても、アフリカ連合に加盟している国だけでも55か国もあります。なお、外務省のHPを確認すると2021/2/5時点で54か国となっていますが[…]
ナイジェリアの基本情報
ナイジェリアはカメルーン、チャド、ニジェール、ベナンを隣国にもつ西アフリカの国です。
ナイジェリアの人口は2016年時点で約1.9億人とアフリカではもっとも人口が多い国です。
また人口密度は202人/km2とアフリカ平均の40人/km2の5倍以上であり、アフリカでは7番目に人口密度の高い国です。
一人あたりGDPは2016年時点で5,800ドルとアフリカ平均の5,000ドルとほぼ同程度となっています。
アフリカ諸国の基本的な経済指標については以前まとめていますので、そちらを参照してください。
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また、アフリカ諸国間のGDP成長率の相関については、以下をご覧ください。
今回は2000年以降のアフリカ諸国におけるGDP成長率の相関係数を確認してみます。 まずは、アフリカ諸国のGDPの規模について見てみます。 GDPランキング 以下は2016年のアフリカ諸国におけるGDPランキン[…]
人口の見通し
このグラフは、ナイジェリアの人口構成を1950年から2100年まで示しています。1950年の3700万人から、2100年には4億7700万人に達すると予測されています。特に0-14歳(青色)の割合が多く、若年層がナイジェリアの大きな人口構成を占めていることがわかります。今後、高齢化も進み、65歳以上(青色、緑色)の割合が増加していく見込みです。経済と社会における課題も増すことが予想されます。
出典:UN World Population Prospects 2024
なお人口の平均成長率は1950-2020年では2.5%ほどであり、この先については2020-2050年が1.7%、2050-2100年は0.6%の見通しです。
人口構成の見通し
このグラフは、ナイジェリアの人口構成の推移を示しており、年齢ごとの人口比率がどのように変化するかを表しています。特に0-14歳の若年層(青色)の割合が今後減少し、65歳以上の高齢者(緑色、青色)の割合が増加していくことが予測されています。これにより、ナイジェリアは今後数十年で高齢化社会に向かっていくことが示唆され、社会保障や経済に対する課題が浮き彫りになります。
出典:UN World Population Prospects 2024
人口ボーナス・人口オーナス
豊かな労働力は経済成長に寄与しますが、その労働力の豊富さを図る指標として人口ボーナスと人口オーナスというものがあります。
野村証券によると人口ボーナス(および人口オーナス)を以下のように定義してます。
生産年齢人口(15~64歳)に対する従属人口(14歳以下の年少人口と65歳以上の老年人口の合計)の比率が低下し、経済成長を促すこと。人口ボーナス期では豊富な労働力を背景に個人消費が活発になる一方、高齢者が少なく社会保障費用が抑えられるため、経済が拡大しやすい。逆に従属人口の比率が相対的に上昇することを人口オーナスという。
このグラフは、ナイジェリアの「人口ボーナス/オーナス」の比率を示しており、1950年から2100年までの推移が視覚化されています。人口ボーナスとは、労働年齢人口が総人口に対して多い時期に経済成長のチャンスが高まることを指します。グラフによると、ナイジェリアは今後2030年以降に人口ボーナスがピークを迎え、その後は高齢化が進むにつれて徐々に比率が減少することが予想されています。これは、長期的に見ると経済的課題となる可能性があります。
出典:UN World Population Prospects 2024に基づく推計
男女別の学歴構成
以下は1950-2015年までの男女別の最終学歴の構成です。
ここでは15歳未満は就学前も、在学中も卒業者もすべて合わせています。残りの5つの学歴については15歳以上を対象としています。
出典: Wittgenstein Centre for Demography and Global Human Capitalに基づく推計
ナイジェリアは未就学シェアが1950年以降急激に減少しており、1950-2015年の期間では男性は51%から17%、女性は58%から28%まで減少しています。
一方、高卒および専門・大卒以上は増加しており、男性はそれぞれ1%から15%、0.0%から6.9%と拡大しています。
同様に女性も学歴化が進み、高卒および専門・大卒以上はそれぞれ0.0%から9.8%、0.0%から4.0%と、男性と比べるといまだにギャップは残るものの教育水準は改善しています。
都市部と農村部人口の構成と人口密度
このグラフは、ナイジェリアの都市部人口シェアと人口密度の推移を示しています。都市部の人口シェア(青い線)は1960年から急速に増加し、2020年には約50%に達しています。同時に、都市部の人口密度(青い点)も増加し、2020年には約3494人/km²となっています。一方で、農村部の人口密度(赤い点)は比較的緩やかに増加しており、都市部と農村部の人口集中の差が明確になっています。
出典:World Development Indicators, 2024/09に基づく推計
さいごに
今回ナイジェリアの人口構成と将来の見通しに焦点を当て、年齢層別の推移や学歴の変化、都市部と農村部の人口密度について触れてきました。また、ナイジェリアの人口は2020年の約2.1億人から2100年には7.3億人に達する見込みで、若年層の割合が減少する一方、高齢者の割合が増加していくことが予想されています。
なお、労働については以下の記事で取り扱っていますので、是非ご覧ください。
今回はナイジェリアの労働関連のデータについて簡単に整理します。 ナイジェリアの基本情報 ナイジェリアはカメルーン、チャド、ニジェール、ベナンを隣国にもつ西アフリカの国です。 ナイジェ[…]