セネガルの人口構成と将来の見通し。年齢構成や学歴構成の変化を確認する

今回はセネガルの人口構成にフォーカスしてみます。

 

セネガルの基本情報

セネガルはモーリタニア、マリ、ガンビア、ギニア、ギニアビサウを隣国にもつ西アフリカの国です。

セネガルの人口は2016年時点で約1,600万人とアフリカでは平均的な人口の国です。

人口密度は79人/km2とアフリカ平均の40人/km2の2倍程度です。

 

一人あたりGDPは2016年時点で2,500ドルとアフリカ平均の5,000ドルの半分程度です。

アフリカ諸国の基本的な経済指標については以前まとめていますので、そちらを参照してください。

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人口の見通し

こちらのグラフは、セネガルの人口構成の推移と将来予測を示しています。過去数十年間で人口が増加しており、特に0〜14歳の若年層が多くを占めています。しかし今後、高齢化も進み、2050年頃から65歳以上の割合が徐々に増加すると予測されます。人口増加は2100年まで継続すると見込まれ、総人口は約4700万人に達する可能性があります。こうした人口動態の変化は、セネガルの経済や社会制度に大きな影響を与えると考えられます。

セネガルの人口

出典:UN World Population Prospects 2024

 

なお人口の平均成長率は1950-2020年では2.7%ほどであり、この先については2020-2050年が2.0%、2050-2100年は0.9%の見通しです。

人口構成の見通し

このグラフは、セネガルの人口構成の変化を示しています。1950年から2100年にかけて、0~14歳の割合が大きく減少し、将来的には高齢者層(65歳以上)が増加することが予測されています。特に80歳以上の層が2100年には全体の約5%まで増加し、長寿化が進む傾向が見られます。また、15~29歳や30~49歳の働き盛り世代は、2020年以降安定するものの、将来的には緩やかに減少する見込みです。

セネガルの人口構成

出典:UN World Population Prospects 2024

 

人口ボーナス・人口オーナス

豊かな労働力は経済成長に寄与しますが、その労働力の豊富さを図る指標として人口ボーナスと人口オーナスというものがあります。

野村証券によると人口ボーナス(および人口オーナス)を以下のように定義してます。

生産年齢人口(15~64歳)に対する従属人口(14歳以下の年少人口と65歳以上の老年人口の合計)の比率が低下し、経済成長を促すこと。人口ボーナス期では豊富な労働力を背景に個人消費が活発になる一方、高齢者が少なく社会保障費用が抑えられるため、経済が拡大しやすい。逆に従属人口の比率が相対的に上昇することを人口オーナスという。

 

このグラフは、セネガルの人口ボーナスの推移を示しています。人口ボーナスは、働き手世代の人口が扶養世代(15歳未満および65歳以上)に対して多い割合を示すもので、経済成長における好機を表しています。このグラフからは、セネガルが今後の数十年にわたり人口ボーナスの恩恵を受け続ける可能性が高いことがわかります。2050年代にはボーナスが最大に達し、その後は緩やかに減少する予測が示されています。

セネガルの人口ボーナス

出典:UN World Population Prospects 2024に基づく推計

 

男女別の学歴構成

以下は1950-2015年までの男女別の最終学歴の構成です。

ここでは15歳未満は就学前も、在学中も卒業者もすべて合わせています。残りの5つの学歴については15歳以上を対象としています。

 

出典: Wittgenstein Centre for Demography and Global Human Capitalに基づく推計

 

セネガルは他のアフリカの国と同様に未就学シェアが1950年以降急激に減少しており、1950-2015年の期間では男性は53%から30%、女性は58%から37%まで減少しています。

一方、高卒および専門・大卒以上は増加しており、男性はそれぞれ0.3%から5.0%、0.1%から2.8%と拡大しています。

同様に女性も学歴化が進み、高卒および専門・大卒以上はそれぞれ0.0%から3.4%、0.0%から1.3%と、男性と比べるといまだにギャップは残るものの教育水準は改善しています。

 

都市部と農村部人口の構成と人口密度

このグラフは、セネガルの都市部人口シェアと人口密度の推移を示しています。都市部人口シェアは1960年以降一貫して上昇しており、現在では約45%に達しています。さらに、都市部の人口密度も急速に増加しており、1990年の3,427人/km²から、現在では4,203人/km²に達しています。一方、農村部の人口密度は比較的安定しており、約40人/km²前後で推移しています。このような都市化の進展により、都市部への人口集中が今後も続くことが予想されます。

 

セネガルの都市人口と人口密度出典:World Development Indicators, 2024/09に基づく推計

 

さいごに

セネガルの人口動態は急速に成長しており、若年層が大多数を占めていますが、今後高齢化の進展も予測されています。都市化が進む一方で、農村地域の人口密度はほぼ横ばいです。こうした人口構成の変化は、経済発展や社会インフラの充実に大きな影響を及ぼすと考えられ、特に若者への教育や雇用の確保が重要な課題となります。

 

なお、労働については以下の記事で取り扱っていますので、是非ご覧ください。

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