今回はトーゴの人口構成にフォーカスしてみます。
なお、他の国との人口規模については、こちらで比較しております。
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トーゴの基本情報
トーゴはガーナ、ブルキナファソ、ベナンを隣国に持つ西アフリカの国です。
トーゴの人口は2016年時点で約750万人とアフリカでは比較的人口の少ない国です。一方、人口密度は132人/km2とアフリカ平均の40人/km2の3倍あります。
一人あたりGDPは2016年時点で1,500ドルとアフリカ平均の5,000ドルの3割程度となっています。
アフリカ諸国の基本的な経済指標については以前まとめていますので、そちらを参照してください。
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また、アフリカ諸国間のGDP成長率の相関については、以下をご覧ください。
今回は2000年以降のアフリカ諸国におけるGDP成長率の相関係数を確認してみます。 まずは、アフリカ諸国のGDPの規模について見てみます。 GDPランキング 以下は2016年のアフリカ諸国におけるGDPランキン[…]
人口の見通し
トーゴの人口構成について示されたこのグラフは、同国の人口増加と年齢層の変化を視覚的に表しています。1950年時点での人口は140万人程度でしたが、その後急激に増加し、2100年には約2630万人に達すると予測されています。特に注目すべきは、0～14歳の若年層（青の部分）が現在でも非常に大きな割合を占めており、今後も絶対数としては増加する見込みである点です。一方で、全人口に占める割合は徐々に減少していくことが見て取れます。
また、15～29歳の働き盛りの若年層（オレンジの部分）や30～49歳の中堅層（灰色の部分）は、今後の経済成長を支える主要な層として引き続き増加していく見通しです。50歳以上の中高年層（黄色、青、緑の部分）は、特に2100年にかけて顕著な増加を示しており、全人口に占める割合も大きくなっていきます。
出典：UN World Population Prospects 2024
なお人口の平均成長率は1950-2020年では2.6%ほどであり、この先については2020-2050年が2.0%、2050-2100年は1.0%の見通しです。
人口構成の見通し
トーゴの人口構成に関するこのグラフは、1950年から2100年にかけての人口構成の変化を割合で示しています。このデータから、トーゴの年齢別人口割合の推移を詳しく分析することができます。
1950年では、0～14歳の若年層（青の部分）が約45%を占め、トーゴ社会における大多数を構成していました。この傾向は1970年頃まで続きますが、2020年以降徐々に減少し、2100年には約20%にまで低下すると予測されています。一方、15～29歳の若年層（オレンジの部分）は、1950年から緩やかに増加し、2030年頃をピークに再び減少傾向を見せますが、全体構成において依然として重要な割合を占めています。
また、30～49歳の働き盛りの生産年齢人口（灰色の部分）は、今後の経済活動を支える中心的な層となり、割合は2100年にかけて一定の水準を維持すると考えられます。一方で、50歳以上の中高年層（黄色、青、緑の部分）は着実に増加しており、特に65歳以上の高齢者人口（青、緑の部分）は2100年には全体の約15%を占める見込みです。
出典：UN World Population Prospects 2024
人口ボーナス・人口オーナス
豊かな労働力は経済成長に寄与しますが、その労働力の豊富さを図る指標として人口ボーナスと人口オーナスというものがあります。
野村証券によると人口ボーナス（および人口オーナス）を以下のように定義してます。
生産年齢人口（15～64歳）に対する従属人口（14歳以下の年少人口と65歳以上の老年人口の合計）の比率が低下し、経済成長を促すこと。人口ボーナス期では豊富な労働力を背景に個人消費が活発になる一方、高齢者が少なく社会保障費用が抑えられるため、経済が拡大しやすい。逆に従属人口の比率が相対的に上昇することを人口オーナスという。
トーゴの人口ボーナス/オーナス比を示したこのグラフは、1950年から2100年にかけての推移を描いています。人口ボーナスとは、働き盛りの生産年齢人口（通常15～64歳）が全人口に対して相対的に多い状態を指し、経済成長を促進する可能性がある一方で、人口オーナスは扶養される年齢層（子どもや高齢者）が増加し、経済的負担が増える状態を表します。
1950年から1980年にかけて、トーゴの人口ボーナス比率は1.1～1.2程度の低い水準にとどまり、扶養人口の割合が相対的に高い時期であったことが分かります。しかし、1980年代以降、この比率は上昇を始め、2000年代にかけて安定的な増加傾向を示しました。2020年代以降、この上昇はさらに加速し、2060年ごろにかけて1.8付近に達すると予測されています。
出典：UN World Population Prospects 2024に基づく推計
男女別の学歴構成
以下は1950-2015年までの男女別の最終学歴の構成です。
ここでは15歳未満は就学前も、在学中も卒業者もすべて合わせています。残りの5つの学歴については15歳以上を対象としています。
出典： Wittgenstein Centre for Demography and Global Human Capitalに基づく推計
トーゴは他のアフリカの国と同様に未就学シェアが1950年以降急激に減少しており、1950-2015年の期間では男性は56%から22%、女性は59%から38％まで減少しています。
一方、高卒および専門・大卒以上は増加しており、男性はそれぞれ0.0%から7.1%、0.0%から3.6%と拡大しています。
同様に女性も学歴化が進み、高卒および専門・大卒以上はそれぞれ0.0%から2.7%、0.0%から0.9%と、男性と比べるといまだにギャップは残るものの教育水準は改善しています。
都市部と農村部人口の構成と人口密度
トーゴの都市部人口シェアと人口密度を示すこのグラフから、同国における都市化の進展とそれに伴う人口密度の変化が明確に読み取れます。1960年には都市部人口シェアが約10%と非常に低い水準でしたが、その後急速に増加し、2020年には約42%に達しています。このことから、都市化が進展しており、多くの人々が農村部から都市部へ移動していることがわかります。
また、都市部の人口密度（青の右軸）は1960年時点で約1,966人/km²でしたが、2020年には約3,348人/km²に増加しています。この急激な密度の上昇は、都市部での人口集中が進んでいることを示しています。一方で、農村部の人口密度（赤の右軸）は、1960年代以降ほとんど変化がなく、2020年時点でも約80人/km²と比較的低いままです。これは農村部の人口増加が緩やかである一方、都市部への人口流入が顕著であることを表しています。
出典：World Development Indicators, 2024/09に基づく推計
さいごに
トーゴの人口動態は、今後数十年間で大きな変化を迎えることが予想されます。総人口は急増し、若年層の割合が高い状態が続く一方で、高齢化の進展により中高年層の人口も増加する見込みです。また、都市化が加速し、都市部への人口集中が一層進むことで、インフラ整備や雇用創出が大きな課題となるでしょう。
なお、労働については以下の記事で取り扱っていますので、是非ご覧ください。
今回はトーゴの労働関連のデータについて簡単に整理します。 トーゴの基本情報 トーゴはガーナ、ブルキナファソ、ベナンを隣国に持つ西アフリカの国です。 トーゴの人口は2016年時点で約7[…]