今回はサントメプリンシペの貿易について整理します。
サントメプリンシペの基本情報
サントメプリンシペは赤道付近に位置するギニア湾に浮かぶアフリカの島国です。
サントメプリンシペの人口は2016年時点で19万人とアフリカでは2番目に人口の少ない国です。
一方、人口密度は203人/km2とアフリカ平均40人/km2の5倍以上あり、アフリカでは6番目に高い水準です。
一人あたりGDPは2016年時点で3,600ドルとアフリカ平均の5,000ドルの7割程度です。
アフリカ諸国の基本的な経済指標については以前まとめていますので、そちらを参照してください。
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また、アフリカ諸国間のGDP成長率の相関については、以下をご覧ください。
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貿易収支の推移
早速ですが、以下は1970年以降のGDPに占める輸出、輸入および貿易収支のシェアになります。
出所:UN “The National Accounts Main Aggregates Database”
サントメプリンシペは経常的に貿易赤字構造となっています。特に1990年代にはGDP比で最大80%ほどの貿易赤字となっていましたが、直近ではGDP比で-25%まで縮小しています。
輸出の構成
以下は1990年から2020年までの輸出品構成です。
主な輸出品は1.農林水産品であり、全体の9割ほどを占めています。
出所:UN comtrade. 注:HSコードの最も粗い21分類を10分類へ集計している。
以下は上記の10分類を100分類弱に細分化した分類の上位5品目を取り上げています。
最大の輸出品は18.ココアであり、全体の半数以上を占めています。以降は15.動植物油脂(具体的にはパーム油)が続きます。
出所:UN comtrade. 注:分類名称の数字はHSコード2桁を表す。
輸入の構成
一方、輸入の構成については以下のようになっています。
直近では1.農林水産品、2.鉱物、8.機械などが多くを占めます。
出所:UN comtrade. 注:HSコードの最も粗い21分類を10分類へ集計している。
輸入品の具体的な商品を見ると、27.石油天然ガス等が最大の輸入品であり、次は85.電気機械や84.一般機械などの機械類となっています。
また、22.飲料・アルコール(具体的にはワイン)も全体の10%ほどを占めています。
出所:UN comtrade. 注:分類名称の数字はHSコード2桁を表す。
貿易相手国の構成
次に貿易相手国を確認します。以下は2020年の貿易相手シェアを表します。
最大の輸出相手国はオランダで輸出全体の38%に相当します。その後はポルトガル、ベルギーと続きます。
なお上位10カ国の輸出は全体の99%占めています。
出所:UN comtrade.
最大の輸入相手国はポルトガルで輸入全体の54%に相当します。その後はアンゴラ、中国と続きます。
なお上位10カ国の輸出は全体の92%占めています。
さいごに
サントメプリンシペの貿易の特徴は以下のとおりです。
- 経常的に貿易赤字構造となっており、近年ではGDP比で25%の貿易赤字
- 主な輸出品はカカオ
- 最大の貿易相手国は輸出ではオランダ、輸入ではポルトガル
以上となります。引き続き他の国についても調べています。