今回はモロッコの旅行関連のデータについて簡単に整理します。
モロッコの基本情報
モロッコは地中海に接する北アフリカの国です。
モロッコの人口は2016年時点で約3,500万人とアフリカでは11番目に人口が多い国です。
人口密度は78人/km2とアフリカ平均の40人/km2の2倍程度です。
一人あたりGDPは2016年時点で8,100ドルとアフリカ平均の5,000ドルの1.6倍程度です。
アフリカ諸国の基本的な経済指標については以前まとめていますので、そちらを参照してください。
ここではアフリカの経済指標についてざっくり整理します。 アフリカと一言でいっても、アフリカ連合に加盟している国だけでも55か国もあります。なお、外務省のHPを確認すると2021/2/5時点で54か国となっていますが[…]
アフリカ諸国における外国人観光客数ランキング
以下は直近におけるアフリカ諸国における外国人観光客の受け入れ人数のランキングです。
出所:World Bank “World Development Indicators” 注:国名後のカッコ内はデータの利用年次を表す。
モロッコはアフリカでは2番目に外国人観光客数が多く、2019年は1,300万人が訪れています。
なお、アフリカでもっとも外国人観光客が多いのは南アフリカで2019年は1,500万人です。なお、日本は同年では3,200万人の外国人観光が訪れています。
モロッコの外国人観光客数
以下はモロッコにおける1995年から2019年までの外国人観光客数とセーシェルからの海外旅行客数を表します。
外国人観光客数は1995年は270万人ほどでしたが、2019年には5倍の1,300万人に増加しています。
一方、モロッコからの海外旅行客は130万人から200万人と1.5倍程度にとどまっています。
出所:World Bank “World Development Indicators”
モロッコの旅行によるサービス貿易収支
外国人観光客の旅行による消費は通常サービスの輸出として捉えられます。また、逆に自国民の海外旅行での消費はサービスの輸入として扱われます。
以下は、そのサービス輸出とサービス輸入のGDPにおけるシェアを表します。
出所:World Bank “World Development Indicators”に基づく推計値
モロッコは観光業が盛んで、旅行によるサービスの輸出はGDPで4-10%ほどを占めています。
旅行によるサービス輸入を除いた純輸出も4-8%ほどあり、外貨を稼ぐ要因となっています。
モロッコの旅行者あたり消費額
上記のサービス貿易は旅行者全体の消費額を表すため、それを旅行客数で除することで旅行客一人当たりの消費額を試算することができます。
以下は、モロッコを訪れる外国人観光客一人当たりの消費額(=サービス輸出/外国人観光客数)の推移を表しています。
出所:World Bank “World Development Indicators”に基づく推計値
外国人観光客一人当たりの消費額はおよそ600-1,000ドルで推移しています。
一方、モロッコから海外旅行客あたり消費額は1995年から2019年では300ドルから1,600ドルへ5倍以上に増加しています。
さいごに
モロッコの旅行についてまとめると以下のとおりです。
- モロッコを訪れる外国人観光客数は2019年では1,300万人でアフリカ全体では2番目
- 旅行によるサービスの輸出はGDPで4-10%
- 外国人観光客一人当たりの消費額はおよそ600-1,000ドル
引き続き他の国についても調べていきます。