今回はアンゴラにおける児童労働についてデータを整理します。
ただし、児童労働の問題には就学の問題も関連することが多いため、はじめに就学率についてデータを確認します。
アンゴラの基本情報
アンゴラはコンゴ、コンゴ民主共和国、ザンビア、ナミビアに接するアフリカ南部の国です。
アンゴラの人口は2016年時点で約2,600万人で、アフリカではやや人口の多い国です。
また、一人あたりGDPは2016年時点で7,200ドルとアフリカ平均の5,000ドルを4割程度上回ります。
アフリカ諸国の基本的な経済指標については以前まとめていますので、そちらを参照してください。
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また、アフリカ諸国間のGDP成長率の相関については、以下をご覧ください。
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就学率(教育)
以下はアフリカ諸国および参考国(米国、中国)における就学率を表します。(括弧内の数字はデータの年次を表します。)
なお、ここでの就学率は初等教育対象年齢人口に対する初等教育に入学した人口をします。
参考国である米国と中国の就学率はそれぞれ、95.6%と89.3%に対し、アンゴラは81.6%と両国よりも低い水準にあり、アフリカ諸国の中でも35番目とやや低い水準となっています。
出所:World Development Indicators, July 2023.
次に、就学率の推移をみます。
1980年代の就学率は45%ほどであり、1990年代後半までその水準でしたが、その後は上昇し、直近では80%と多くの児童に教育が行き届いている状況に達しています。
なお、男女別にみると近年になるにつれて男女格差が開き始めています。
出所:World Development Indicators, July 2023.
なお、人口に占める学歴構成については、以下の時期で取り上げています。
今回はアンゴラの人口構成にフォーカスしてみます。 なお、他の国との人口規模については、こちらで比較しております。 [sitecard subtitle=関連記事 url=https://africa-keizai.com/bas[…]
児童就業率(児童労働)
次に、児童の就業率について確認します。
以下のグラフは7-14歳人口に占める就業率を表しており、左図は全体、中図は男子、右図は女子の就業率のランキングとなっています。
アンゴラの全体の児童就業率は30%でデータの確認できる44か国中23番目となっています。
また、男子は30%で44か国中26番目、女子は30%で22番目と男女ともに中位水準となっており、児童の3人に1人は労働をおこなっている状況となっています。
出所:World Development Indicators, July 2023.
以下の左図は児童労働における産業別構成比を表しており、右図では就業形態別の構成比を表します。
(ただし、産業構造のデータはデータソースであるWDIでは公表されておりません。)
雇用形態を見ると、雇用者は6%のみであり、大部分は家族従業者が占めています。
出所:World Development Indicators, July 2023.
なお、一国全体の労働構成については以下の記事を参照ください。
今回はアンゴラの労働関連のデータについて簡単に整理します。 アンゴラの基本情報 アンゴラはコンゴ、コンゴ民主共和国、ザンビア、ナミビアに接するアフリカ南部の国です。 アンゴラの人口は[…]
児童の平均労働時間
次に、児童の平均労働時間ついて確認します。
以下のグラフは労働に従事している(就業している)児童の週平均労働時間のランキングを示しており、左図は非就学児童の平均労働時間、右図は就学も就業もしている児童の平均労働時間を示しています。
左図の非就学の就業児童の労働時間では、アンゴラは15時間と(データの確認できる)アフリカの41か国中27番目となっています。
同様に、右図の就学している就業児童の労働時間は13時間であり(データの確認できる)アフリカの41か国中17番目となっています。
出所:World Development Indicators, July 2023.
男女別の労働時間をみると、非就学の就業児童の労働時間では男子が15時間に対し女子は14時間と男子の方が長い一方で、就学している就業児童の労働時間では男女ともに12.5時間で同水準となっています。
出所:World Development Indicators, July 2023.
さいごに
今回は就学率や児童の就業率や労働時間について整理しましたが、児童労働の賃金データや産業別の児童労働時間などのデータについては確認することができませでした。