エスワティニの貿易:貿易収支、輸出・輸入の構成について。主な輸出品や輸入品は何?

今回はエスワティニの貿易について整理します。

 

エスワティニの基本情報

エスワティニは南アフリカ、モザンビークを隣国にもつアフリカ南部の国です。

かつてはスワジランドと呼ばれていましたが、2018年にエスワティニと改名しました。

エスワティニの人口は2016年時点で130万人とアフリカでは比較的人口の少ない国です。

一方、人口密度は75人/km2とアフリカでは比較的人口密度の高い国です。

 

また、一人あたりGDPは2016年時点で8,500ドルとアフリカでは比較的高い国です。

アフリカ諸国の基本的な経済指標については以前まとめていますので、そちらを参照してください。

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また、アフリカ諸国間のGDP成長率の相関については、以下をご覧ください。

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貿易収支の推移

早速ですが、以下は1970年以降のGDPに占める輸出、輸入および貿易収支のシェアになります。

出所:UN “The National Accounts Main Aggregates Database”

 

エスワティニは1980年以降経常的に貿易赤字が続いていましたが、貿易赤字は徐々に縮小し、直近ではGDP比で+3%の貿易黒字に転じています。

 

輸出の構成

以下は2000年から2020年までの輸出品構成です。

主な輸出品は1. 農林水産品・食料品および3.化学製品であり、これらで8割を占めています。

出所:UN comtrade. 注:HSコードの最も粗い21分類を10分類へ集計している。

 

以下は上記の10分類を100分類弱に細分化した分類の上位5品目を取り上げています。

2000年以降の主な具体的な輸出品は33.精油・化学製品(具体的には香水)であり、輸出の1/3を占めています。

続く17.糖類・砂糖菓子(具体的には砂糖原料)であり、2000年以降シェアが拡大しています。

出所:UN comtrade. 注:分類名称の数字はHSコード2桁を表す。

 

輸入の構成

一方、輸入の構成については以下のようになっています。

2000年以降輸入構成はあまり変化がなく、1.農林水産品・食料品、2.鉱物、3.化学製品、8.機械で全体の8割を占めています。

出所:UN comtrade. 注:HSコードの最も粗い21分類を10分類へ集計している。

 

輸入品の具体的な商品を見ると、27.石油天然ガス等、84.一般機械、87.自動車が多くを占めています。

また、2000年以降10.穀類(具体的にはトウモロコシ)のシェアが倍増しています。

出所:UN comtrade. 注:分類名称の数字はHSコード2桁を表す。

 

貿易相手国の構成

次に貿易相手国を確認します。以下は2020年の貿易相手シェアを表します。

 

最大の輸出相手国は南アフリカで輸出全体の65%に相当します。その後はケニア、ナイジェリアと続きます。

なお上位10カ国の輸出は全体の92%占めています。

出所:UN comtrade. 

最大の輸入相手国は南アフリカで輸入全体の74%に相当します。その後は中国、インドと続きます。

なお上位10カ国の輸出は全体の91%占めています。

 

さいごに

エスワティニの貿易の特徴は以下のとおりです。

  • 1980年以降徐々に貿易赤字が縮小しており、近年ではGDP比で+3%の貿易黒字
  • 主な輸出品は香水、砂糖原料
  • 最大の貿易相手国は輸出・輸入ともに南アフリカ

以上となります。引き続き他の国についても調べています。

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