アンゴラの銀行と金融市場

今回はアンゴラの銀行と金融に関する経済データを整理します。

なお、この記事は世界銀行(World Bank)が公開しているデータベース(WDI: World Development Indicators)を用いています。

 

アンゴラの基本情報

アンゴラはコンゴ、コンゴ民主共和国、ザンビア、ナミビアに接するアフリカ南部の国です。

 

アンゴラの人口は2016年時点で約2,600万人で、アフリカではやや人口の多い国です。

 

また、一人あたりGDPは2016年時点で7,200ドルとアフリカ平均の5,000ドルを4割程度上回ります。

アフリカ諸国の基本的な経済指標については以前まとめていますので、そちらを参照してください。

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また、アフリカ諸国間のGDP成長率の相関については、以下をご覧ください。

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ATM台数

ここでは海外旅行する方には気になるであろう、ATMの設置台数について扱います。

以下は人口10万人あたりのATM設置台数のランキングを表しています。

なお、ここでは参考として日本、米国、中国も併記しており、例えば日本では人口10万人あたり117台となっています。

アンゴラにおいては、10万人あたり17.8台と日本に比べ1/5以下の水準ですが、アフリカ諸国の中では12位と上位に位置しています。

ATM設置台数

出所:World Bank, World Development Indicators, October 2023. 

 

預金金利・貸出金利

次に銀行口座の預金金利と銀行からの貸出金利を扱います。

以下はアフリカ諸国における預金金利(左図)と貸出金利(右図)のランキングを表しています。

また、同様に参考国として日本、米国、中国も併記しています。(ただし、預金金利については米国のデータは利用できません。)

 

アンゴラにおいては預金金利は7.1%とアフリカ諸国では10位で上位水準であり、貸出金利においても20.1%で7位と上位に位置しています。

預金金利・貸出金利

出所:World Bank, World Development Indicators, October 2023. 

 

以下では、アンゴラにおける銀行の預金金利と貸出金利および金利スプレッド(貸出金利と預金金利の差分)の時系列の推移を表しています。

また、金利と相関のあるCPIも併記しています。

 

預金金利についてはCPIよりは安定的でまたCPIより高い水準で推移しています。

また、貸出金利については預金金利より高く、その差は一時は50%近くありましたが、直近では10%ほどまで縮小しています。

アンゴラの預金金利・貸出金利

出所:World Bank, World Development Indicators, October 2023. 

 

金利はインフレ下では高くなる傾向があるため、インフレの影響を除いた実質の貸出金利の推移を表しています。

なお、ここでは貸出金利をGDPデフレータで除することで実質化をおこなっています。

実質貸出金利を見ると、2005-2015年まではプラス金利であることがほとんどでしたが、それ以降はマイナス金利になる頻度が増えています。

アンゴラの実質金利

出所:World Bank, World Development Indicators, October 2023. 

銀行の自己資本比率と不良債権比率

以下はアフリカ諸国における銀行の自己資本比(左図)と不良債権比率(右図)のランキングを表しています。

また、同様に参考国として米国、中国も併記しています。(なお、日本のデータはWDIでは公表されておりません。)

 

アンゴラにおいては銀行の自己資本比は10.0%とアフリカ諸国32か国中15位、不良債権比率では15.0%で32か国中6位と比較的上位に位置しています。

銀行の自己資本比率と不良債権比率

出所:World Bank, World Development Indicators, October 2023. 

 

以下では、アンゴラにおける銀行の自己資本比率と不良債権比率の時系列の推移を表しています。

 

銀行の自己資本比率は2010年代以降においては10%ほどで安定しています。

一方、不良債権比率は2010年代以降一時は25%ほどまで上昇しますが、直近では15%ほどとなっています。

アンゴラの銀行の自己資本比率と不良債権比率

出所:World Bank, World Development Indicators, October 2023. 

さいごに

今回はアンゴラにおける銀行と金融市場について見てきました。

ATM台数については海外旅行者、金利については現地滞在者やビジネスマンの方々の参考になれれば幸いです。

 

なお、以下では米国の株式市場に上場しているアフリカの企業についてまとめていますので、よろしければご覧ください。

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