今回はマリの銀行と金融に関する経済データを整理します。
なお、この記事は世界銀行(World Bank)が公開しているデータベース(WDI: World Development Indicators)を用いています。
マリの基本情報
マリはアフリカ西部に位置する内陸の国です。
マリの人口は2016年時点で約1,800万人とアフリカで平均的よりやや人口の多い国です。
人口密度は15人/km2とアフリカ平均の40人/km2の半分以下です。
一人あたりGDPは2016年時点で2,100ドルとアフリカ平均の5,000ドルの4割程度です。
アフリカ諸国の基本的な経済指標については以前まとめていますので、そちらを参照してください。
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また、アフリカ諸国間のGDP成長率の相関については、以下をご覧ください。
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ATM台数
ここでは海外旅行する方には気になるであろう、ATMの設置台数について扱います。
以下は人口10万人あたりのATM設置台数のランキングを表しています。
なお、ここでは参考として日本、米国、中国も併記しており、例えば日本では人口10万人あたり117台となっています。
マリにおいては、10万人あたり4.6台と日本に比べ遥かに低い水準であり、アフリカ諸国の中でも35位と下位に位置しています。
出所:World Bank, World Development Indicators, October 2023.
預金金利・貸出金利
次に銀行口座の預金金利と銀行からの貸出金利を扱います。
以下はアフリカ諸国における預金金利(左図)と貸出金利(右図)のランキングを表しています。
また、同様に参考国として日本、米国、中国も併記しています。(ただし、預金金利については米国のデータは利用できません。)
マリにおいては預金金利は6.5%とアフリカ諸国では16位、貸出金利では5.1%で50位と下位に位置しています。
出所:World Bank, World Development Indicators, October 2023.
以下では、マリにおける銀行の預金金利と貸出金利および金利スプレッド(貸出金利と預金金利の差分)の時系列の推移を表しています。
また、金利と相関のあるCPIも併記しています。
預金金利についてはCPIよりは安定的でまたCPIより高い水準で推移しています。
また、貸出金利については預金金利より低い水準で推移しており、それは金利スプレッドがマイナスとなっていることからも確認できます。
出所:World Bank, World Development Indicators, October 2023.
金利はインフレ下では高くなる傾向があるため、インフレの影響を除いた実質の貸出金利の推移を表しています。
なお、ここでは貸出金利をGDPデフレータで除することで実質化をおこなっています。
実質貸出金利を見ると、たまにマイナス金利となるものの、基本的にはプラス金利で推移しています。
出所:World Bank, World Development Indicators, October 2023.
さいごに
今回はマリにおける銀行と金融市場について見てきました。
ATM台数については海外旅行者、金利については現地滞在者やビジネスマンの方々の参考になれれば幸いです。
なお、以下では米国の株式市場に上場しているアフリカの企業についてまとめていますので、よろしければご覧ください。
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