アンゴラの産業構造:GDPシェア、GDP寄与度、労働者数シェア、労働生産性について

今回はアンゴラの産業構造を確認します。

 

アンゴラの基本情報

アンゴラはコンゴ、コンゴ民主共和国、ザンビア、ナミビアに接するアフリカ南部の国です。

 

アンゴラの人口は2016年時点で約2,600万人で、アフリカではやや人口の多い国です。

 

また、一人あたりGDPは2016年時点で7,200ドルとアフリカ平均の5,000ドルを4割程度上回ります。

アフリカ諸国の基本的な経済指標については以前まとめていますので、そちらを参照してください。

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また、アフリカ諸国間のGDP成長率の相関については、以下をご覧ください。

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産業別GDP構成比

早速ですが、以下は1970年から2019年までの産業別のGDP構成比の推移を表します。

出所:UN “The National Accounts Main Aggregates Database”

 

主な産業は2.鉱業、7.その他サービスであり、この2産業で一国全体のGDPのおよそ半分を占めています。

また、近年では5.商業・レストラン・ホテルが上昇傾向にあり、GDPシェアは20%まで拡大しています。

 

産業別GDP寄与度

以下はGDPにおける5年平均の産業別寄与度を表します。

出所:UN “The National Accounts Main Aggregates Database”に基づく推計値

 

アンゴラは1993年に内戦があり、この年のGDP成長率は-27%と大きなマイナスとなっていたため、1990年代前半は大幅なマイナス成長となっています。

その後は、反発もあり2000年代には平均8.0%と高い成長を遂げています。この期間に大きく寄与したのは2.鉱業となっています。

 

産業別就業者数シェア

以下は1991年から2019年の産業別就業者数のシェアを表します。

出典:ILO Modelled Estimatesに基づく推計

 

もっとも就業者の多い産業は1.農業であり、一国全体の50%を占めています。

その次に多いのは7.その他サービスと5.商業・レストラン・ホテルであり、この2産業で約40%を占めています。

 

産業別労働生産性(産業別就業者あたりGDP)

以下は2019年における産業別の労働生産性(産業別の就業者一人あたりGDP)を米ドル換算で表しています。

出典:ILO Modelled EstimatesおよびUN “The National Accounts Main Aggregates Database”に基づく推計

 

2019年における全体の労働生産性は6,900ドルほどですが、産業によりそれは大きく異なります。

もっとも労働生産性が高い産業は2.鉱業であり、労働生産性は120,000ドルほどです。

一方、もっとも生産性の低い産業は1.農業であり労働生産性はわずか1,300ドル程度となっています。

 

さいごに

アンゴラの産業構造についてまとめると以下のとおりです。

  • 主な産業は2.鉱業と7.その他サービスであり、この2産業で一国全体のGDPの半分程度に相当
  • 1990年代前半は大幅なマイナス成長でしたが、2000年以降は平均8%と大幅なプラス成長
  • 就業者の多い産業は1.農業で一国全体の50%程度
  • 労働生産性が高い産業は2.鉱業(120,000ドル)。一方もっとも低いのは1.農業(1,300ドル)

引き続き他の国についても調べていきます。

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