シエラレオネの産業構造:GDPシェア、GDP寄与度、労働者数シェア、労働生産性について

今回はシエラレオネの産業構造を確認します。

 

シエラレオネの基本情報

シエラレオネはギニア、リベリアを隣国にもつ大西洋に接する西アフリカの国です。

シエラレオネの人口は2016年時点で700万人とアフリカでは人口の少ない国です。

一方、人口密度は91人/km2とアフリカ平均40人/km2より2倍ほど人口密度の高い国です。

 

一人あたりGDPは2016年時点で1,600ドルとアフリカ平均の5,000ドルの3割程度であり、アフリカでも下位の国です。

アフリカ諸国の基本的な経済指標については以前まとめていますので、そちらを参照してください。

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また、アフリカ諸国間のGDP成長率の相関については、以下をご覧ください。

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産業別GDP構成比

早速ですが、以下は1990年から2019年までの産業別のGDP構成比の推移を表します。

出所:UN “The National Accounts Main Aggregates Database”

 

主な産業は1990年では大半をしめていた1.農業は直近では60%とさらに拡大しています。

代わりに7.その他サービスは同期間では26%から20%までシェアを落としています。

また、6.運輸・通信も同様にシェアを縮小させています。

 

産業別GDP寄与度

以下はGDPにおける5年平均の産業別寄与度を表します。

出所:UN “The National Accounts Main Aggregates Database”に基づく推計値

 

シエラレオネは1990年代には平均してマイナス成長となっていますが、それ以降は反発もあり2000年代前半には10%以上の経済成長を遂げてます。

その後は4-5%程度と安定した成長しています。

また、経済成長は1.農業が主な要因となっています。

産業別就業者数シェア

以下は1991年から2019年の産業別就業者数のシェアを表します。

出典:ILO Modelled Estimatesに基づく推計

 

もっとも就業者の多い産業はいまだに1.農業であり、現在でも一国全体の50%超を占めています。

次に就業者の多い産業は5.商業・レストラン・ホテルであり、同期間では12%から29%まで就業シェアが急激に拡大しています。

 

産業別労働生産性(産業別就業者あたりGDP)

以下は2019年における産業別の労働生産性(産業別の就業者一人あたりGDP)を米ドル換算で表しています。

出典:ILO Modelled EstimatesおよびUN “The National Accounts Main Aggregates Database”に基づく推計

 

2019年における全体の労働生産性は1,500ドルほどですが、産業によりそれは大きく異なります。

もっとも労働生産性が高い産業は7.その他サービスであり、労働生産性は3,900ドルほどです。

一方、もっとも生産性の低い産業は5.商業・レストラン・ホテルであり労働生産性はわずか500ドル程度となっています。

 

さいごに

シエラレオネの産業構造についてまとめると以下のとおりです。

  • 主な産業は1.農業であり、直近では60%ほどとなっています
  • 1990年代にはマイナス成長だったが、2000年以前は反発し、2000年代後半以降には4-5%程度の経済成長
  • 就業者の多い産業は1.農業であり一国全体の50%
  • 労働生産性が高い産業は7.その他サービス(3,900ドル)。一方もっとも低いのは5.商業・レストラン・ホテル(500ドル)

引き続き他の国についても調べていきます。

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