今回はカーボベルテのODA(政府開発援助)と貧困について簡単に整理します。
なお、ODAは援助する側とされる側がありますが、ここについてはODAは援助される側にフォーカスします。
カーボベルデの基本情報
カーボベルデは大西洋に浮かぶ西アフリカの島国です。
カーボベルデの人口は2016年時点で約53万人とアフリカでは3番目に人口の少ない国です。
人口密度は131人/km2とアフリカ平均40人/km2の2倍以上です。
一人あたりGDPは2016年時点で6,800ドルとアフリカ平均の5,000ドルより3割程度高い国です。
アフリカ諸国の基本的な経済指標については以前まとめていますので、そちらを参照してください。
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また、アフリカ諸国間のGDP成長率の相関については、以下をご覧ください。
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GNIに占めるODA率ランキング
早速ですが、以下は2019年におけるGNI(国民総所得)に占めるODA率のランキングです。
なお、一部の国では2019年のデータが利用できない国があるため、国名の後ろに利用年次を記載しています。
アフリカで最もODA率の高い国はソマリアでGNIに占めるODA率は38%となっており、ODAによりGNIが50%以上上乗せされております。
一方、カーボベルテはアフリカ54か国中16位(7.9%)と比較的高位に位置しています。
出所:World Development Indicators
貧困率ランキング
次は貧困率についてです。
ここでは世界銀行が2015年に定めた1日あたり1.9ドル未満(PPP換算)で生活している人口のシェアをランキングしています。
なお、貧困率のデータは利用できない国や欠損年次が多いため、利用可能な国の直近の年次を用いてランキングしています。
アフリカでもっとも貧困率が高いのはマダガスカルであり人口の79%は貧困とされています。
一方、カーボベルテはアフリカ49か国中44位(3%)と低位に位置しています。
出所:World Development Indicators
一人当たりODAと一人当たりGNI
以下は2019年の一人当たりODAを縦軸、一人当たりGNIを横軸にプロットしたものです。
ODAは国際支援を目的としているため、基本的にはODAはGNIと反比例するように支援されています。
(ただし、セーシェルは高い一人当たりGNIにかかわらず、一人当たりODAも多くなっています。)
カーボベルテは一人当たりGNIが7,300ドル程度と中位水準である一方で、一人当たりODAも277ドルと非常に多くなっています。
上図:全体図、下図:拡大図
出所:World Development Indicators
時系列推移
以下の左図はGNIに占めるODA率と一人当たりODA、右図は一人当たりGNIと貧困率の推移を表しています。
カーボベルテのGNIに占めるODA率は1980年代は一時50%以上ある時期がありましたが、直近では10%以下まで減少しています。
一人当たりODAは1975年ではほぼ0ドルでしたが、2010年には700ドル近くまでに達し、直近では280ドル程度となっています。
一人当たりGNIは1970年の1,000ドルから7,300ドルと7倍以上に増加しているおり、貧困率は2001年から2016年にかけて急速に改善しています。
出所:World Development Indicators
さいごに
今回はODAと貧困率について経済発展状況(GNI)を踏まえて見てました。
引き続き、いろいろ調べています。