今回はジブチのODA(政府開発援助)と貧困について簡単に整理します。
なお、ODAは援助する側とされる側がありますが、ここについてはODAは援助される側にフォーカスします。
ジブチの基本情報
ジブチはエリトリア、エチオピア、ソマリアを隣国に持つアフリカの北東部に位置する国です。
ジブチの人口は2016年時点で約90万人の小国です。人口密度はアフリカ平均の40人/km2とほぼ同じ39人/km2です。
一人あたりGDPは2016年時点で3,700ドルとアフリカ平均の5,000ドルの7割程度です。
アフリカ諸国の基本的な経済指標については以前まとめていますので、そちらを参照してください。
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また、アフリカ諸国間のGDP成長率の相関については、以下をご覧ください。
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GNIに占めるODA率ランキング
早速ですが、以下は2019年におけるGNI(国民総所得)に占めるODA率のランキングです。
なお、一部の国では2019年のデータが利用できない国があるため、国名の後ろに利用年次を記載しています。
アフリカで最もODA率の高い国はソマリアでGNIに占めるODA率は38%となっており、ODAによりGNIが50%以上上乗せされております。
一方、ジブチはアフリカ54か国中14位(8.4%)と平均よりやや多くのODAを受け入れいる国と言えます。
出所:World Development Indicators
貧困率ランキング
次は貧困率についてです。
ここでは世界銀行が2015年に定めた1日あたり1.9ドル未満(PPP換算)で生活している人口のシェアをランキングしています。
なお、貧困率のデータは利用できない国や欠損年次が多いため、利用可能な国の直近の年次を用いてランキングしています。
アフリカでもっとも貧困率が高いのはマダガスカルであり人口の79%は貧困とされています。
一方、ジブチはアフリカ49か国中35位(17%)と低い貧困率となっています。
出所:World Development Indicators
一人当たりODAと一人当たりGNI
以下は2019年の一人当たりODAを縦軸、一人当たりGNIを横軸にプロットしたものです。
ODAは国際支援を目的としているため、基本的にはODAはGNIと反比例するように支援されています。
(ただし、セーシェルは高い一人当たりGNIにかかわらず、一人当たりODAも多くなっています。)
ジブチは一人当たりGNIが5,600ドルと平均的な水準である一方で、一人当たりODAも280ドルともっとも高い水準となっています。
上図:全体図、下図:拡大図
出所:World Development Indicators
ジブチにおける時系列推移
以下の左図はGNIに占めるODA率と一人当たりODA、右図は一人当たりGNIと貧困率の推移を表しています。
ジブチは1990年代前半にはGNIに占めるODA率は一時25%以上を占めるときがありましたが、近年では8.4%まで減少しています。
一人当たりODAも1990年には一時350ドル超とピークを迎えますが、直近では280ドル程度となっています。
一人当たりGNIはデータの確認できる2013年から2019年には4,200ドルから5,600ドルまで増加しています。
この期間における貧困率はあまり変化はありません。
出所:World Development Indicators
さいごに
今回はODAと貧困率について経済発展状況(GNI)を踏まえて見てました。
引き続き、いろいろ調べています。