アルジェリアの人口構成と将来の見通し。年齢構成や学歴構成の変化を確認する

今回はアルジェリアの人口構成にフォーカスしてみます。

なお、他の国との人口規模については、こちらで比較しております。

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アルジェリアの基本情報

 

アルジェリアの人口は2016年時点で約4,000万人とアフリカでは9番目に人口が多い国です。

人口密度は17人/km2とアフリカ平均の40人/km2の半分以下です。

 

一方、一人あたりGDPは2016年時点で15,000ドルとアフリカ平均の5,000ドルと3倍ほどあり、アフリカでは6番目に高い国です。

アフリカ諸国の基本的な経済指標については以前まとめていますので、そちらを参照してください。

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人口の見通し

アルジェリアの人口構成は、将来的に緩やかに変化していく様子が見られます。現在、0-14歳の若年層が多いですが、2100年に向けてその割合は減少傾向にあり、一方で65歳以上の高齢者人口が増加しています。特に80歳以上の人口は、長期的に見て緩やかに増加しています。全体としては人口のピークは2090年頃に到達し、その後は徐々に安定し、緩やかに減少していく予測です。このような変化は、社会福祉や医療のニーズが増大することを意味しており、長期的な社会政策が求められます。

アルジェリアの人口

出典:UN World Population Prospects 2024

 

なお人口の平均成長率は1950-2020年では2.3%ほどであり、この先については2020-2050年が1.0%、2050-2100年は0.7%の見通しです。

 

人口構成の見通し

アルジェリアの人口構成は、0歳から14歳までの若年層が減少する一方で、65歳以上の高齢者層が増加しているのが特徴です。特に、2020年以降、全体の人口増加は緩やかになり、2090年代にピークを迎えた後は緩やかに減少していくと予測されています。15歳から29歳の割合が高い時期も見られますが、徐々に30歳以上の年齢層が増加し、特に50歳以上の高齢者層が拡大することで、社会全体の高齢化が進行する見通しです。このような変化は、社会福祉や労働市場への影響が考えられます。アルジェリアの人口構成

出典:UN World Population Prospects 2024

 

人口ボーナス・人口オーナス

豊かな労働力は経済成長に寄与しますが、その労働力の豊富さを図る指標として人口ボーナスと人口オーナスというものがあります。

野村証券によると人口ボーナス(および人口オーナス)を以下のように定義してます。

生産年齢人口(15~64歳)に対する従属人口(14歳以下の年少人口と65歳以上の老年人口の合計)の比率が低下し、経済成長を促すこと。人口ボーナス期では豊富な労働力を背景に個人消費が活発になる一方、高齢者が少なく社会保障費用が抑えられるため、経済が拡大しやすい。逆に従属人口の比率が相対的に上昇することを人口オーナスという。

 

このグラフは、アルジェリアの人口ボーナスとオーナスの推移を示しています。1950年から始まり、長期的な視点で2100年までの推移を予測しています。グラフの初期段階では人口ボーナス(働き手の多さによる経済的利点)が高まり、2000年頃にピークに達しています。その後、少し減少しながらも、2030年以降には再びボーナスの上昇が見られ、人口構造の変化に伴って経済的な影響が予想されます。長期的には、ボーナスが減少する見通しが示されており、アルジェリアの経済的な戦略の転換が必要になる可能性があります。

アルジェリアの人口ボーナス

出典:UN World Population Prospects 2024に基づく著者の推計

 

男女別の学歴構成

以下は1950-2015年までの男女別の最終学歴の構成です。

ここでは15歳未満は就学前も、在学中も卒業者もすべて合わせています。残りの5つの学歴については15歳以上を対象としています。

 

出典: Wittgenstein Centre for Demography and Global Human Capitalに基づく著者の推計

 

アルジェリアは他のアフリカの国と同様に未就学シェアが1950年以降急激に減少しており、1950-2015年の期間では男性は56%から10%、女性は58%から19%まで減少しています。

一方、高卒および専門・大卒以上は増加しており、男性はそれぞれ0.1%から23.4%、0.0%から7.5%と急激に拡大しています。

同様に女性も学歴化が進み、高卒および専門・大卒以上はそれぞれ0.0%から21.1%、0.0%から8.7%と、男性以上に専門・大卒以上が多くのシェアを占めています。

 

都市部と農村部人口の構成と人口密度

アルジェリアの都市部人口シェアと人口密度に関するグラフを解説します。このグラフは、1960年から2020年までの都市部と農村部の人口シェアと密度の変化を示しています。都市部の人口シェアは1960年の約30%から増加し続け、2020年には約70%に達しています。一方、農村部の人口密度は一貫して低く、都市部の人口密度が年々上昇していることがわかります。この傾向は、都市化の進展と農村部から都市部への人口移動を反映しています。都市部への集中により、経済や社会インフラへの影響が懸念されます。

アルジェリアの都市人口と人口密度

出典:World Development Indicators, 2024/09に基づく著者の推計

 

さいごに

アルジェリアの人口は今後数十年間にわたり安定的に増加し続ける見込みですが、高齢化の進展や都市化の加速が社会に与える影響は大きいです。都市部への人口集中が経済発展にとって有利な面もある一方で、社会インフラの整備や地域間の格差への対応が重要となるでしょう。また、人口ボーナスの恩恵を最大限に活用するためには、若年層への教育投資や雇用創出が鍵となります。持続的な成長のためにはこれらの課題への戦略的対応が求められます。

 

なお、労働については以下の記事で取り扱っていますので、是非ご覧ください。

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