今回は赤道ギニアの人口構成にフォーカスしてみます。
赤道ギニアの基本情報
赤道ギニアは、国土のうち9割がアフリカ大陸にあり、残りのは南太西洋のギニア湾に浮かぶ島々から構成されています。
首都マラボは大陸ではなくビオコ島にあります。
赤道ギニアの人口は2016年時点で約90万人とアフリカでは5番目に人口の少ない国です。
人口密度は31人/km2とアフリカ平均の40人/km2の8割程度です。
一人あたりGDPは2016年時点で37,000ドルとアフリカ平均の5,000ドルの7倍以上あり、アフリカではもっとも高い国です。
アフリカ諸国の基本的な経済指標については以前まとめていますので、そちらを参照してください。
ここではアフリカの経済指標についてざっくり整理します。 アフリカと一言でいっても、アフリカ連合に加盟している国だけでも55か国もあります。なお、外務省のHPを確認すると2021/2/5時点で54か国となっていますが[…]
人口の見通し
早速ですが、以下は赤道ギニアの1950年から2020年までの年齢階層別の人口の推移と、2100年までの見通しです。
出典:UN World Population Prospects 2019
赤道ギニアの人口は2020年では140万人ですが、70年前の1950年ではわずか23万人でした。この期間の人口の平均成長率は2.6%です。
また、将来の見通しでは2030年には187万人、2050年には282万人、2100年では451万人の見込みです。
人口の平均成長率は2020-2050年が2.3%、2050-2100年は0.9%の見通しです。
人口構成の見通し
こちらは先ほどのグラフの年齢階層シェアの推移です。
1950年では34%あった14歳以下の人口は1990年には43%まで上昇したのち減少へ転じ、2020年では37%となっています。今後は2050年に30%、2100年に20%まで減少する見込みです。
また、80歳以上人口は1950年では0.5%、2020年は0.2%ほどです。今後の見込みでは2050年には0.3%、2100年には2.2%まで拡大する見込みです。
出典:UN World Population Prospects 2019
人口ボーナス・人口オーナス
豊かな労働力は経済成長に寄与しますが、その労働力の豊富さを図る指標として人口ボーナスと人口オーナスというものがあります。
野村証券によると人口ボーナス(および人口オーナス)を以下のように定義してます。
生産年齢人口(15~64歳)に対する従属人口(14歳以下の年少人口と65歳以上の老年人口の合計)の比率が低下し、経済成長を促すこと。人口ボーナス期では豊富な労働力を背景に個人消費が活発になる一方、高齢者が少なく社会保障費用が抑えられるため、経済が拡大しやすい。逆に従属人口の比率が相対的に上昇することを人口オーナスという。
以下は、1950-2100年の人口ボーナス・人口オーナスを示します。
赤道ギニアは1950-1990年まで緩やかな人口オーナス期、その後は2050年まで人口ボーナス期を迎えます。
出典:UN World Population Prospects 2019に基づく推計
男女別の学歴構成
以下は1950-2015年までの男女別の最終学歴の構成です。
ここでは15歳未満は就学前も、在学中も卒業者もすべて合わせています。残りの5つの学歴については15歳以上を対象としています。
出典: Wittgenstein Centre for Demography and Global Human Capitalに基づく推計
赤道ギニアは他のアフリカの国と同様に未就学シェアが1950年以降急激に減少しており、1950-2015年の期間では男性は56%から8%、女性は65%から17%まで減少しています。
一方、高卒および専門・大卒以上は増加しており、男性はそれぞれ0.1%から10.2%、0.0%から4.8%と拡大しています。
同様に女性も学歴化が進み、高卒および専門・大卒以上はそれぞれ0.0%から2.1%、0.0%から0.9%と、男性と比べるといまだにギャップは残るものの教育水準は改善しています。
都市部と農村部人口の構成と人口密度
以下は1960年以降の全人口のうち都市部に住む人口シェアと、都市部、農村部および平均の人口密度の推移です。
なお、都市部と農村部の人口密度はデータの制約により1990年以降の10年おきに推計値になります。
出典:World Development Indicatorsに基づく推計
赤道ギニアの都市部人口シェアは急激に増加しています。
1960年では都市部人口のシェアはわずか26%でしたが、現在では73%まで増加してます。
都市部人口の増加に伴い、人口密度も急増しています。都市部の人口密度は1990年の1,494人/平方kmでしたが、2010年では6,384人/平方kmと4倍以上となっており、都市部の土地開発が追い付いていない状況です。
さいごに
赤道ギニアの人口構成と見通しの特徴は以下のとおりです。
- 人口は1950年、2020年、2100年ではそれぞれ23万人、140万人、451万人
- 14歳以下の人口構成は2020年の37%から、2050年は30%、2100年は20%と減少
- 80歳以上人口は2020年の0.2%から、2050年は0.3%、2100年は2.2%と増加
- 1950-1990年まで緩やかな人口オーナス期、その後は2050年まで人口ボーナス期
- 未就学人口は一貫して減少、一方高卒および専門・大卒以上は一貫して増加
- 都市部人口シェアは1960年から2019年では26%から73%まで増加
引き続き他の国についても調べていきます。