今回はジブチの小学校教育(初等教育)に関する経済データを整理します。
なお、この記事は世界銀行(World Bank)が公開しているデータベース(WDI: World Development Indicators)を用いています。
ジブチの基本情報
ジブチはエリトリア、エチオピア、ソマリアを隣国に持つアフリカの北東部に位置する国です。
ジブチの人口は2016年時点で約90万人の小国です。人口密度はアフリカ平均の40人/km2とほぼ同じ39人/km2です。
一人あたりGDPは2016年時点で3,700ドルとアフリカ平均の5,000ドルの7割程度です。
アフリカ諸国の基本的な経済指標については以前まとめていますので、そちらを参照してください。
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また、アフリカ諸国間のGDP成長率の相関については、以下をご覧ください。
今回は2000年以降のアフリカ諸国におけるGDP成長率の相関係数を確認してみます。 まずは、アフリカ諸国のGDPの規模について見てみます。 GDPランキング 以下は2016年のアフリカ諸国におけるGDPランキン[…]
小学校における生徒一人当たりの政府支出
以下の図はアフリカ諸国における小学生一人当たり政府支出額比率(対一人当たりGDP比)のランキングを表しています。
なお、国名横のカッコ内の数字はデータの当該年次を表してます。
また、参考として日本、米国、中国を併記しており、これらの国ではそれぞれ一人当たりGDPに対して22%、20%、6%相当の政府消費が小学生に支出されています。
一方、ジブチにおいては小学生一人当たり政府支出額比率は37.3%とアフリカ諸国でもっとも高くなっています。
出所:World Bank, World Development Indicators, July 2024.
小学校入学率と私立生徒比率
ここでは、ジブチにおける小学校の入学率と私立学生の比率について扱います。
以下のグラフはそれらの時系列推移を表しています。
入学率については小学校へ入学する年齢の児童に占める実際に入学した比率を表しており、1980年代では25%ほどであった入学率は直近では70%ほどまで改善されています。
一方、私立学校に入学する生徒は1980年代では5%ほどでしたが、直近では18%ほどまで上昇しています。
出所:World Bank, World Development Indicators, July 2024.
なお、以下では小学校における私立学生の比率のアフリカ諸国におけるランキングを表しており、ジブチは17.9%で53か国中22位となっています。
出所:World Bank, World Development Indicators, July 2024.
小学校における生徒-教師比率
次に生徒と教師の比率について扱います。
以下の図はアフリカ諸国の小学校における生徒と教師の比率を表しています。
なお、参考国である日本、米国、中国はおよそ教師1人につき15人程度の生徒となっています。
一方、ジブチについては29.4人であり、アフリカ諸国53国中18位と中位に位置しています。
出所:World Bank, World Development Indicators, July 2024.
以下ではジブチの小学校における生徒と教師の比率の時系列の推移を表しています。
1970年代では教師一人当たり35人ほどの生徒比となっていましたが、1980年代には45人近くまで悪化したのち、直近では30人ほどへ改善されています。
出所:World Bank, World Development Indicators, July 2024.
小学校における女性比率
最後にここでは小学校における生徒と教師に占める女性の比率の時系列推移を示しています。
1970年代前半では生徒に占める女児の比率は30%ほどであったのに対し、直近では50%近くまで拡大しています。
一方、教師については、1970年代初頭では女性の教師比率は50%ほどありましたが、2010年には25%ほどまで低下したのち、直近では女性比率が35%ほどまで上昇しています。
出所:World Bank, World Development Indicators, July 2024.
さいごに
今回はジブチにおける小学校教育について見てきました。
今後は中等教育、高等学校についても扱う予定です。