今回はケニアの一般政府における財政(歳出、歳入、税収、債務)について簡単に整理します。
また、歳出については、その内数にあたる軍事についても別途扱います。
ケニアの基本情報
ケニアはソマリア、エチオピア、ウガンダ、タンザニアを隣国にもつ東アフリカの国です。
ケニアの人口は2016年時点で約4,700万人とアフリカでは7番目に人口が多い国です。
人口密度は81人/km2とアフリカ平均の40人/km2の2倍ほどです。
一人あたりGDPは2016年時点で3,200ドルとアフリカ平均の5,000ドルの6割程度です。
アフリカ諸国の基本的な経済指標については以前まとめていますので、そちらを参照してください。
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また、アフリカ諸国間のGDP成長率の相関については、以下をご覧ください。
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歳入・歳出比率(対GDP比)
以下はアフリカ諸国および参考国(日本、米国、中国)におけるGDPに対する※歳入(左図)・歳出(右図)比率のランキングを示しています。(カッコ内はデータが取得できる最新年を示しています。)
(ただし、ここの歳入にはデータの都合により助成金は含まれていません。)
ケニアの直近のデータを見ると、GDPに占める歳入比率16.8はアフリカ諸国の中では19位と中位に位置しており、日本よりも3ポイントほど低い水準にあります。
一方歳出についてはGDP比で15.6と、アフリカ諸国においては23位であり、歳入の順位からやや下げてます。
出所:World Development Indicators, December 2022.
次に、以下はケニアの一般政府におけるGDPに対する※歳入・歳出比率の推移を表しています。
(ただし、ここの歳入にはデータの都合により助成金は含まれていません。)
ケニアの歳入は2010年代半ば以降GDP比で20%ほどありましたが徐々に下落傾向にあります。
一方、歳出については2010年代半ばでは同様に20%ほどあり一時は25%まで上昇しますが、直近では15%ほどまで下落しています。
なお、歳入の内数にあたる税収は歳入の75%ほどを占めて推移しています。
出所:World Development Indicators, December 2022.
さらに歳入(左図)と歳出(右図)の内訳の構成比の推移を表しているのが以下のグラフです。
(なお、一部の年次でデータが欠落しています。)
歳入については、所得税・資産課税や商品税が大半を占めており、シェアも拡大傾向にあります。
一方で、助成金については下落しています。
歳出については補助金・その他移転や雇用者報酬のシェアが高く、また利子支払いはシェアが一貫して拡大傾向にあります。
出所:World Development Indicators, December 2022.
一般政府の軍事費
以下はアフリカ諸国と参考国における一般政府の軍事費比率のランキングを示しています。(左図は対GDP比、右図は対政府支出比)
ケニアのGDPに対する軍事費は1.1%でアフリカ諸国の中では35位、また、対政府支出比では4.2%でアフリカ諸国の中では36位と、やや下位に位置しています。
出所:World Development Indicators, December 2022.
GDPに対する軍事費の推移をみると1970年代後半には6%近くありましたが、その後下落傾向にあり、1990年代半ば以降は2%以下で推移しています。
また、対政府支出比で見れば(データの確認できる限り)1990年代以降の10%ほどから直近では4%台まで下落しています。
出所:World Development Indicators, December 2022.
さいごに
今回は一般政府における歳出と歳入の構成や、税収および債務の推移などを整理しました。
なお、今後の歳出・歳入や債務について予測については以下の記事で扱っていますので、是非ご参照ください。
今回はケニアの経済予測について取り上げます。 使用しているデータは国際通貨機関(IMF)が年に2~4回刊行しているWorld Economic Outlook(WEO)を用いています。 WEOでは最新のデータに基づき予測を毎回改[…]