今回はブルキナファソの国際連合食糧農業機関(FAO)が公表しているデータからSDGsに関連する指標を見てみようと思います。
ここでは17のゴールのうち、主にGoal2: 飢餓をゼロに、Goals14: 海の豊かさを守ろう、Goals15: 陸の豊かさも守ろう、に関連する指標を扱います。
なお、SDGsについては日本ユニセフ協会のHPにてわかりやすく紹介されていますので、よろしければご覧ください。
親子で学べるSDGs(持続可能な開発目標)サイト「SDGs CLUB(クラブ)」。各目標ごとにターゲットの子ども訳を読ん…
ブルキナファソの基本情報
ブルキナファソはニジェール、ベナン、トーゴ、ガーナ、コートジボワール、マリと多くの国を隣国にもつ西アフリカの国です。
ブルキナファソの人口は2016年時点で約1,900万人とアフリカでは平均的な人口を有する国です。
人口密度は68人/km2とアフリカ平均の40人/km2の1.7倍程度です。
一人あたりGDPは2016年時点で1,800ドルとアフリカ平均の5,000ドルの4割程度です。
アフリカ諸国の基本的な経済指標については以前まとめていますので、そちらを参照してください。
ここではアフリカの経済指標についてざっくり整理します。 アフリカと一言でいっても、アフリカ連合に加盟している国だけでも55か国もあります。なお、外務省のHPを確認すると2021/2/5時点で54か国となっていますが[…]
また、アフリカ諸国間のGDP成長率の相関については、以下をご覧ください。
今回は2000年以降のアフリカ諸国におけるGDP成長率の相関係数を確認してみます。 まずは、アフリカ諸国のGDPの規模について見てみます。 GDPランキング 以下は2016年のアフリカ諸国におけるGDPランキン[…]
飢餓
Goal2「飢餓をゼロに」に関して、以下では栄養不足人口(左図)と人口に占める栄養不足蔓延率(右図)をランキングしてます。
国名の横のカッコ内には利用している年次を表しています。
なお、参考国としてここでは日本と中国を並記していますが、両国の栄養不足蔓延率はともに3%程度となっていますが、人口の違いにより栄養不足人口は大幅に異なっています。
ブルキナファソの栄養不足人口は380万人であり、(データの確認できる限りでは)アフリカで15番目に多い国です。
また、人口に占める栄養不足人口率は18.0%であり、アフリカで20番目となっています。
出所:SDG Indicators, FAO stat, December 2022.
以下は栄養不足人口と人口に占める栄養不足蔓延率に関する2000年以降の推移を表します。
2000年代前半では270万人ほどいた栄養不足人口は減少し、2010年代前半には200万人ほどまで減少しますが、直近では38o万人まで増加しています。
また、それに連動して栄養不足蔓延率も23%ほどから12%ほどまで減少したのち、直近では18%ほどまで悪化しています。
出所:SDG Indicators, FAO stat, December 2022.
なお、以下の記事では貧困率について扱っていますので、よろしければそちらもご覧ください。
今回はブルキナファソのODA(政府開発援助)と貧困について簡単に整理します。 なお、ODAは援助する側とされる側がありますが、ここについてはODAは援助される側にフォーカスします。 ブルキナファソの基本情報 ブ[…]
農業
Goal2「飢餓をゼロに」関連して、ここでは農業について扱います。
以下はGDPに占める農業シェア(左図)と政府支出に占める農業関連シェア(右図)をランキングしています。
なお、参考国としてここでは日本、米国、中国を並記しています。
GDPに占める農業シェアに関して、ブルキナファソは20%ほどでありアフリカでは23番目です。
一方、政府支出に占める農業関連シェアでは3%でこちらは(データの確認できる限りでは)19番目となっています。
出所:SDG Indicators, FAO stat, December 2022.
以下は、横軸に栄養不足蔓延率と縦軸に政府支出に占める農業関連シェアとして、各国の最新データをプロットしています。
これを見ると、栄養不足蔓延率が高い国ほど政府支出に占める農業関連シェアが低い傾向が見受けられます。
なお、ブルキナファソはどちらも指標も比較的低いためグラフ内では左下に位置しています。
出所:SDG Indicators, FAO stat, December 2022.
以下は、GDPに占める農業シェアと政府支出に占める農業関連シェアの2000年以降の推移を表しています。
農業のGDPシェアは2000年代後半以降徐々に上昇している一方で、農業の政府支出シェアについては緩やかに減少傾向となっています。
出所:SDG Indicators, FAO stat, December 2022.
なお、一国全体における農林水産業や各産業のGDPシェアについて以下の記事をご覧ください。
今回はブルキナファソの産業構造を確認します。 ブルキナファソの基本情報 ブルキナファソはニジェール、ベナン、トーゴ、ガーナ、コートジボワール、マリと多くの国を隣国にもつ西アフリカの国です。 […]
森林
Goals15「陸の豊かさも守ろう」に関して、ここでは国土に占める森林割合(左図)と森林における長期管理計画下割合(右図)をランキングしていています。
ここでは参考国として日本、米国、中国を並記しています。
ブルキナファソの森林面積割合は22.7%であり、アフリカでは26番目と中位に位置しており、また森林における長期管理計画下割合については13.6%で36か国中で19番目と中位となっています。
出所:SDG Indicators, FAO stat, December 2022.
上記の指標について2000年以降の推移を表しているのが、以下のグラフです。
国土に占める森林割合は2000年では26%ほどありましたが、直近では23%まで僅かに低下しています。
一方で、長期管理計画されている森林は同期間では4%から14%ほどまで上昇しています。
出所:SDG Indicators, FAO stat, December 2022.
なお、以下のリンクでは森林や自然を一国全体の資本(国富)として試算値していますので、よろしければご覧ください。
今回はブルキナファソの国富(National wealth)についてです。 なお、国富(National wealth)とはストックを表し、これに対応するフローがGDPと見ることができます。 ここでは、Wor[…]
さいごに
この記事ではFAOのデータベースを用いて作成しています。
そのためSDGsの指標としては偏りがありますが、SDGsには他にも様々なGoalsやそれに関連する指標があります。
そういった情報については法政大学の川久保研究室のホームページにて詳細を知ることができますので、よろしければご覧ください。