今回はマダガスカルの国際連合食糧農業機関(FAO)が公表しているデータからSDGsに関連する指標を見てみようと思います。
ここでは17のゴールのうち、主にGoal2: 飢餓をゼロに、Goals14: 海の豊かさを守ろう、Goals15: 陸の豊かさも守ろう、に関連する指標を扱います。
なお、SDGsについては日本ユニセフ協会のHPにてわかりやすく紹介されていますので、よろしければご覧ください。
親子で学べるSDGs(持続可能な開発目標)サイト「SDGs CLUB(クラブ)」。各目標ごとにターゲットの子ども訳を読ん…
マダガスカルの基本情報
マダガスカルはアフリカ南東部沖に浮かぶ島国です。位置については地図のとおりです。
アフリカ大陸に比べると小さく見えますが、日本の1.6倍の国土を持つ大きい国です。
マダガスカルの人口は2016年時点で約2,500万人で、アフリカでは比較的人口の多い国です。
一人あたりGDPは2016年時点で1,500ドルとアフリカ平均の5,000ドルの3割程度とアフリカでも低位の国です。
アフリカ諸国の基本的な経済指標については以前まとめていますので、そちらを参照してください。
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また、アフリカ諸国間のGDP成長率の相関については、以下をご覧ください。
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飢餓
Goal2「飢餓をゼロに」に関して、以下では栄養不足人口(左図)と人口に占める栄養不足蔓延率(右図)をランキングしてます。
国名の横のカッコ内には利用している年次を表しています。
なお、参考国としてここでは日本と中国を並記していますが、両国の栄養不足蔓延率はともに3%程度となっていますが、人口の違いにより栄養不足人口は大幅に異なっています。
マダガスカルの栄養不足人口は1340万人であり、(データの確認できる限りでは)アフリカで6番目に多い国です。
また、人口に占める栄養不足人口率は48.5%であり、アフリカで3番目となっています。
出所:SDG Indicators, FAO stat, December 2022.
以下は栄養不足人口と人口に占める栄養不足蔓延率に関する2000年以降の推移を表します。
2000年代前半では600万人ほどいた栄養不足人口は2012年以降増加し始め、直近では1,300万人超に達しています。
また、それに連動して栄養不足蔓延率も35%ほどから、直近では50%ほどまで悪化しています。
出所:SDG Indicators, FAO stat, December 2022.
なお、以下の記事では貧困率について扱っていますので、よろしければそちらもご覧ください。
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農業
Goal2「飢餓をゼロに」関連して、ここでは農業について扱います。
以下はGDPに占める農業シェア(左図)と政府支出に占める農業関連シェア(右図)をランキングしています。
なお、参考国としてここでは日本、米国、中国を並記しています。
GDPに占める農業シェアに関して、マダガスカルは24%ほどでありアフリカでは17番目です。
一方、政府支出に占める農業関連シェアは4%でアフリカでは10番目となっています。
出所:SDG Indicators, FAO stat, December 2022.
以下は、横軸に栄養不足蔓延率と縦軸に政府支出に占める農業関連シェアとして、各国の最新データをプロットしています。
これを見ると、栄養不足蔓延率が高い国ほど政府支出に占める農業関連シェアが低い傾向が見受けられます。
なお、マダガスカルは栄養不足蔓延率が非常に高いこともあり、グラフ内では右下に位置しています。
出所:SDG Indicators, FAO stat, December 2022.
以下は、GDPに占める農業シェアの2000年以降の推移を表しています。
農業のGDPシェアは2000年代では30-35%ほどでしたが、徐々に減少しており、直近では24%ほどとなっています。
一方、政府支出に占める農業シェアは2000年代前半では10%ほどでしたが、GDPに占める農業シェアと同様に低下傾向となっており、直近では4%ほどとなっています。
出所:SDG Indicators, FAO stat, December 2022.
なお、一国全体における農林水産業や各産業のGDPシェアについて以下の記事をご覧ください。
今回はマダガスカルの産業構造を確認します。 マダガスカルの貿易構造と人口構成についてはこちらをご覧ください。 [sitecard subtitle=関連記事 url=https://africa-keizai[…]
漁業
Goals14「海の豊かさを守ろう」に関連して、ここでは持続可能な魚類資源割合(左図)とGDPに占める持続可能な漁業シェア(右図)をランキングしています。
また参考国としてここでは日本、米国を並記していますが、日本と米国はともに持続可能な魚類資源割合(左図)では7割程度となっています。
この指標でデータの利用できる国が少なく、マダガスカルは非対象国となっていますので、ここでは参考程度に載せておきます。
また、GDPに占める持続可能な漁業シェアについては3.6%であり(データの確認できる限りでは)アフリカでは5番目となっています。
出所:SDG Indicators, FAO stat, December 2022.
なお、一国全体における農林水産業や各産業のGDPシェアについて以下の記事をご覧ください。
今回はマダガスカルの産業構造を確認します。 マダガスカルの貿易構造と人口構成についてはこちらをご覧ください。 [sitecard subtitle=関連記事 url=https://africa-keizai[…]
森林
Goals15「陸の豊かさも守ろう」に関して、ここでは国土に占める森林割合(左図)と森林における長期管理計画下割合(右図)をランキングしていています。
ここでは参考国として日本、米国、中国を並記しています。
マダガスカルの森林面積割合は21.4%であり、アフリカでは28番目と中位に位置しています。
(なお、森林における長期管理計画下割合についてはデータが公表されていません。)
出所:SDG Indicators, FAO stat, December 2022.
上記の指標について2000年以降の推移を表しているのが、以下のグラフです。
国土に占める森林割合は2000年以降は20%台前半で横ばいで推移しています。
出所:SDG Indicators, FAO stat, December 2022.
なお、以下のリンクでは森林や自然を一国全体の資本(国富)として試算値していますので、よろしければご覧ください。
今回はマダガスカルの国富(National wealth)についてです。 なお、国富(National wealth)とはストックを表し、これに対応するフローがGDPと見ることができます。 ここでは、Worl[…]
さいごに
この記事ではFAOのデータベースを用いて作成しています。
そのためSDGsの指標としては偏りがありますが、SDGsには他にも様々なGoalsやそれに関連する指標があります。
そういった情報については法政大学の川久保研究室のホームページにて詳細を知ることができますので、よろしければご覧ください。