マラウイの通信環境:電話とインターネット

今回はマラウイの通信環境として電話とインターネットに関する経済データを整理します。

なお、この記事は世界銀行(World Bank)が公開しているデータベース(WDI: World Development Indicators)を用いています。

 

マラウイの基本情報

マラウイはアフリカ南東部に位置する内陸の国です。

マラウイの人口は2016年時点で約1,800万人とアフリカでは平均的な人口の国です。

人口密度は150人/km2とアフリカ平均の40人/km2の4倍近くある国です。

 

一人あたりGDPは2016年時点で1,200ドルとアフリカ平均の5,000ドルの2割ほどで、アフリカでは6番目に一人当たりGDPが低い国です。

アフリカ諸国の基本的な経済指標については以前まとめていますので、そちらを参照してください。

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また、アフリカ諸国間のGDP成長率の相関については、以下をご覧ください。

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固定電話と携帯電話

ここでは電話に関する統計を扱います。

以下は100人あたりの固定電話契約件数(左図)と携帯電話契約件数(右図)のランキングを表しています。

なお、ここでは参考として日本、米国、中国も併記しています。

例えば、日本は固定電話は100人中49件、携帯電話は100人中168件となっており、ともに米国よりも多くなっています。

 

マラウイにおいては、100人あたりでは固定電話は0.0件でアフリカ諸国では45位、携帯電話は60件でアフリカ諸国では42位となっています。

固定電話と携帯電話契約件数ランキング

出所:World Bank, World Development Indicators, March 2024. 

 

以下は、マラウイにおける左図では電話契約件数、右図では100人あたりでの電話契約件数の推移を表しています。

固定電話はほぼ普及していなかったため、固定電話は携帯電話に早々に抜かれ、直近では固定電話が1万件に対して、携帯電話は1200万件ほどの規模となっています。

また、100人当たりの契約件数においても同様の推移となっており、直近では固定電話は100人中0.0件、携帯電話は100人中60件となっています。

マラウイの電話関連指標

出所:World Bank, World Development Indicators, March 2024. 

 

インターネット

次にインターネットに関する指標を扱います。

以下はアフリカ諸国におけるインターネットアクセス比率(左図)と100万人あたりのセキュアサーバー件数(右図)のランキングを表しています。

なお、ここでのセキュアサーバーはTLS/SSL であり、

  SSL(Secure Socket Layer)/ TLS (Transport Layer Security)とは、インターネット上でデータを暗号化して送受信する仕組みのひとつです。クレジットカード番号や、一般に秘匿すべきとされる個人に関する情報を取り扱うWebサイトで、これらの情報が盗み取られるのを防止するため、広く利用されています。また、SSLTLS暗号化に加え、電子証明書により通信相手の本人性を証明し、なりすましを防止するなど、今日のインターネットの安心・安全を支えています。(総務省より)

ということを意味しています。

 

なお、ここでは先と同様に参考国として日本、米国、中国も併記しています。

 

マラウイにおいては、インターネットアクセス比率は24%でアフリカ諸国では37位、100万人あたりセキュアサーバー件数は17件でアフリカ諸国では34位となっています。インターネットアクセス率とセキュアサーバー件数ランキング

出所:World Bank, World Development Indicators, March 2024. 

 

次に以下では、ブロードバンド契約件数(左図)と100人あたりでのブロードバンド契約件数(右図)のアフリカ諸国におけるランキングを表しています。

マラウイでは、ブロードバンド契約件数自体は1.5万件でアフリカ諸国では38位、100人あたりでは0.1件でアフリカ諸国では44位となっています。

ブロードバンド契約件数ランキング

出所:World Bank, World Development Indicators, March 2024. 

 

次に以下では、マラウイにおける上記で取り上げた指標の時系列での推移を表しています。

インターネットアクセス比率については、2005年ではほぼ0%ほどでしたが、直近では25%ほどまで一貫して上昇しています。

一方、100万人あたりでのセキュアサーバー件数については、2015年では2件ほどでしたが、2016年以降急増し、2020年では17件ほどとなっています。

マラウイのインターネット関連指標

出所:World Bank, World Development Indicators, March 2024. 

次に、ブロードバンド契約件数合計と100人あたりでのブロードバンド契約件数はほぼ似た推移を辿っており、

2015年以降急速に上昇しており、直近ではブロードバンド契約件数自体は1.5万件ほど、100人あたりでは0.07件ほどとなっています。

 

さいごに

今回はマラウイにおける通信環境に関する統計データを見てきました。

現地でのビジネスや移住を検討の方は、一度過去の推移を確認したうえで、今後についてご検討ください。

 

なお、以下の記事では通信の物価水準を扱っていますので、よろしければご覧ください。

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