今回はマリの水道と電気に関する経済データを整理します。
なお、この記事は世界銀行(World Bank)が公開しているデータベース(WDI: World Development Indicators)を用いています。
マリの基本情報
マリはアフリカ西部に位置する内陸の国です。
マリの人口は2016年時点で約1,800万人とアフリカで平均的よりやや人口の多い国です。
人口密度は15人/km2とアフリカ平均の40人/km2の半分以下です。
一人あたりGDPは2016年時点で2,100ドルとアフリカ平均の5,000ドルの4割程度です。
アフリカ諸国の基本的な経済指標については以前まとめていますので、そちらを参照してください。
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また、アフリカ諸国間のGDP成長率の相関については、以下をご覧ください。
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水道事情
ここでは、アフリカ諸国の取水量のデータを扱います。
以下は、一人あたり年間取水量のランキング(左図)と、その取水用途の構成(右図)を表しています。
なお、ここでは参考として日本、米国、中国も併記しており、例えば日本では一人あたり年間取水量は621立法メートル、その内訳は7割ほどは農業用途、1割ほどは工業用、2割ほどが生活用他となっています。
マリにおいては、一人あたり年間取水量は244立法メートルでアフリカ諸国では11番目に多く、その内訳は9割以降ほどは農業用途となっています。
出所:World Bank, World Development Indicators, February 2024.
以下は、マリの取水量とその構成の推移とを表しています。
1987年では国全体の取水量は1.5億立法メートルほどでしたが、直近では5億立法メートル超ほどまで増加しています。
また、一人当たり取水量で見れば、同期間では150立法メートルほどから一時は450立方メートルまで増加しますが、直近では250立法メートルほどとなっています。
出所:World Bank, World Development Indicators, February 2024.
取水の用途については、データの利用できる1987年以降では9割以上が農業用途となっています。
電気事情
ここでは、アフリカ諸国の電力事情についてデータで整理します。
以下は、電力アクセス率のランキング(左図)を表しており、中図では都市部での電力アクセス率、右図では非都市部での電力アクセス率を示しています。
同様に、ここでも参考として日本、米国、中国も併記していますが、いずれの国も今では電力アクセス率は100%となっています。
マリ一国の電力アクセス率は53%でアフリカ諸国では28位となっており、都市部については97%、非都市部では18%となっています。
出所:World Bank, World Development Indicators, February 2024.
以下はマリの電力アクセス率との推移を表しています。
1990年代半ばでの電力アクセス率は一国全体では5%ほど、都市部では20%、非都市部ではほぼ0%でしたが、その後は上昇し、直近では一国全体では55%ほど、都市部では100%近く、非都市部では20%となっています。
出所:World Bank, World Development Indicators, February 2024.
なお、以下の記事では電力だけでなく、エネルギー消費量やCO2排出量について取り上げていますので、宜しければご覧ください。
今回はマリのCO2・エネルギーのデータについて簡単に整理します。 マリの基本情報 マリはアフリカ西部に位置する内陸の国です。 マリの人口は2016年時点で約1,800万人とアフリカで平均的よりやや人口の[…]
さいごに
今回はマリにおける水道・電気の消費量について見てきました。
一方で、水道光熱費をはじめとした物価については以下の記事で取り上げていますので、よろしければご覧ください。
今回はマリの為替レートと物価水準(PLI: Price level Index)について整理します。 なお、物価水準の国際比較については、以下の記事なども参照ください。 [sitecard subtitle=関連記事 url=h[…]