サントメプリンシペの為替レートと物価水準(PLI: Price level Index)

今回はサントメプリンシペの為替レートと物価水準(PLI: Price level Index)について整理します。

なお、物価水準の国際比較については、以下の記事なども参照ください。

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サントメプリンシペの基本情報

サントメプリンシペは赤道付近に位置するギニア湾に浮かぶアフリカの島国です。

サントメプリンシペの人口は2016年時点で19万人とアフリカでは2番目に人口の少ない国です。

一方、人口密度は203人/km2とアフリカ平均40人/km2の5倍以上あり、アフリカでは6番目に高い水準です。

 

一人あたりGDPは2016年時点で3,600ドルとアフリカ平均の5,000ドルの7割程度です。

アフリカ諸国の基本的な経済指標については以前まとめていますので、そちらを参照してください。

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また、アフリカ諸国間のGDP成長率の相関については、以下をご覧ください。

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為替レート

以下は対米ドルに対する為替レートの推移を示しています。

為替レートに関しては、1960年では1ドル=0.03ドブラであり、1987年までは比較的安定して推移してきましたが、その後は急激に通貨安となり、2020年には1ドル=21.5ドブラ程度となっています。

(なお、サントメプリンシペについては他国と異なり実質実効為替レートのデータは公表されていません。)

サントメプリンシペの為替レート

出所:World Development Indicators, December 2022.

 

物価水準ランキング(GDP物価水準と家計消費物価水準)

次に1990年以降における物価水準について確認します。

以下は、GDP(家計消費、政府消費、投資、貿易の合計)の物価水準を表します。

米国の物価水準を基準(1.0)とすると、日本の物価は0.91とやや安くなっています。

一方、サントメプリンシペは0.51であり、アフリカ諸国においては6番目に位置しており、アフリカでは比較的高い物価水準となっています。
GDPの物価水準

出所:World Development Indicators, December 2022.

 

次に、一般家計に関係する家計消費の物価水準のランキングを見ると、日本は米国よりも2%ほど高い物価と言えます。

一方、サントメプリンシペは0.55とGDPの物価水準に比べるとやや高い水準となっており、アフリカ諸国での順位は7番目と比較的上位に位置しています。

家計消費の物価水準

出所:World Development Indicators, December 2022.

 

物価水準の推移

次に物価水準の推移を確認します。

物価水準については基本的には米ドルなどを用いて共通通貨により評価をおこなうため、為替レートの影響を直接的にうけます。

そのため短期的に変動の大きい為替レートの影響を考慮して時系列でデータを見る必要もあります。

 

以下のグラフは、GDPの物価水準と家計消費の物価水準の推移を表しています。

GDPの物価水準は2001年では0.3程度でしたが、その後は一貫して上昇傾向にあり、直近では0.5程度となっています。

同様に、家計消費の物価水準は1990年代後半では0.3ほどでしたが、直近では0.55程度まで上昇しています。

サントメプリンシペの物価水準

出所:World Development Indicators, December 2022.

 

GDPの物価水準の内訳を見ると、2017年時点ではGDPの物価水準が0.46に対して、家計消費は0.49、政府消費は0.21、総資本形成(投資+在庫)は0.61、貿易は1.01となっています。

 

総資本形成の内訳では、国内で機械・設備の投資財の製造が難しいことから輸入に頼るケースが多く、その結果非常に高い物価水準となる一方で、建設については国内労働者の低賃金を反映して安い物価水準となっています。

サントメプリンシペの最終消費の物価水準

出所:ICP2017.

 

次に商品別の物価水準を見ると、食料品は他の商品に比べて価格が高く、特に牛乳・チーズ、油脂類、菓子類は高価となっています。

 

さらに、国内で生産が難しい自動車についても米国に比べて非常に高くなっています。

上記で挙げた財以外についてはおおよそ0.5-0.8程度の水準となっており、比較的安価となっています。

加えて、水道光熱費、医療、教育などの社会インフラは0.1-0.3程度と非常に安価となっています。

サントメプリンシペの物価水準

出所:ICP2017.

 

 

さいごに

今回は為替レートと物価水準に関して、過去のデータを整理しました。

一方で、国内物価の変動自体については、CPIおよびデフレータについて取り上げている以下の記事を参照ください。

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