アフリカの物価しらべシリーズ:自動車編

今回はアフリカ諸国の自動車の物価についてです。

アフリカ諸国の自動車の物価ランキング

以下は、日本と基準(日本=1.0)としたときの2017年のアフリカ各国における自動車の物価指数(PLI)ランキングです。

(ここで用いる物価データは国産と輸入品の平均物価です。ただし、実際にはアフリカで国産の自動車はほとんどないでしょうから、輸入品の比較と言えそうです。)

出典:ICP2017

もっとも物価の高い国はセーシェルで日本の1.86倍、もっとも安い国はレソトで日本の0.88倍です。

アフリカの多くの国は日本よりも自動車の物価が高いようですが、これは日本は国産自動車が多いのに対し、アフリカ諸国では輸入品の自動車がほとんどであるため、輸送コストなどを鑑みると高価となるのだと思われます。

さらにアフリカの多くの国の一人あたりGDPが1万ドル以下であることから、アフリカで自動車を購入することはかなり高価な買い物と言えます。

(ただし、利用している物価データは同一品質の自動車における物価です。アフリカで自動車を実際に購入する場合は中古車が多いでしょうから、日本で新車を購入する場合と比べ上記の物価指数は小さくなります。)

 

なお、ここで出てくる物価指数(PLI)の説明については以下の記事をご覧ください。

関連記事

今回はアフリカ各国の物価の違いについて整理します。 国際間の物価の違いを表す経済データとして、購買力平価(PPP)というものがあります。今回はこのPPPを用います。 購買力平価(PPP)とは 総務省によると ※ 購買力平価(Pu[…]

自動車が高いセーシェル

セーシェルの自動車の物価は日本の1.86倍です。またセーシェルは総じて物価が高い国です。

以下の記事でもセーシェルがもっとも高い国となっています。

関連記事

今回は旅行する際に気になる、レストラン・ホテルの物価についてです。   アフリカ各国のレストラン・ホテルの物価について ここでは、データの制約上レストランとホテルをまとめた物価を紹介します。 早速ですが以下は、日本[…]

 

セーシェルとは?

セーシェルはインド洋沖にある小さな島で、人口10万人のアフリカでもっとも人口の少ない国です。

セーシェルは①1976年までイギリス領であったことから左側通行、②小さい島であることからコンパクトカーが好まれる、ことから日本の自動車率が高いようです。

実際に日本からセーシェルへの主な輸出品も自動車関連が多いです。

自動車の安いレソト

アフリカで自動車がもっとも安い国はレソトで日本の0.88倍です。

ただし、安いといってもレソトの一人あたりGDPが2017年で3,000ドルに満たないことから、現地の人にとっては非常に高価だと言えます。

 

レソトとは?

レソトは南アフリカに囲まれた人口200万人超の小国です。

レソトを囲む南アフリカはアフリカにおける自動車の生産拠点です。日本自動車工業会(JIMA)によると2019年の自動車およびトラック・バスの生産台数は63万台でアフリカで生産される自動車の6割近が南アフリカで生産されています。

そのためレソトでは、南アフリカ産の安価な自動車が流通することで、物価が安いのかもしれません。

 

なお、南アフリカの自動車の物価は日本の1.11倍、南アフリカに次ぐ自動車の生産拠点モロッコ(2019年は39万台生産)は1.06倍と比較的アフリカでは安価な国となっています。

さいごに

今回は自動車の物価について取り上げました。

自動車については、国産車が存在する国は限られ、ほとんどの国では海外からの輸入品に頼っています。そのため自国で生産できる他の財に比べ、自動車は高価とならざる負えないようです。

最新情報をチェックしよう!